番外編:もしもの世界
번외편 : 만약의 세계
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番外編、『もしも梨子の方が年下だったらの世界』をお送りいたします。
もしも梨子の方が年下だったら出会えそうにないよね、出会うとしたらどういう感じかな~と思って書きました(・∀・)
書いてたら、あれ?善子のイケメン度が下がった、と思ったけど、うちの善子のイケメン度って高くないよなって気付いてそのまま書き上げたヽ(^。^)丿
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「そう、あれはとても暑い夏の日の事だったわ」
ふっと窓の外を眺め、遠いかの地に思いを馳せる。
ほんの少しの感傷に浸る私に、目の前から呆れたような声が投げ掛けられた。
「いきなり語り出したずら。しかもなんだか長そうずら」
「茶々入れずに聞きなさいよ!」
「嫌ずら」
「あんたが聞きたいって言ったんでしょうが!」
「マルは善子ちゃんの運命の相手はどんな人なんだろうねって言っただけずら」
やれやれ、みたいな感じで肩をすくめる幼稚園時代の幼なじみに食ってかかるもあっさりと流される。
昔はおとなしいって言うよりとろくさかった癖に、今じゃ毒舌で可愛げがなくなった幼なじみの国木田花丸は何故か私に塩対応気味だ。ルビィには甘々なのに何この対応の差。
「善子ちゃんだから」
「理由になってない!」
バンバンと机を叩いて遺憾の意を表してみるけどどこ吹く風でのっぽをかじるずら丸には通じず、ただ自分の手が痛くなっただけだった。
赤くなった手をヒラヒラさせ痛みを紛らわしていると、いつの間にかのっぽを食べ終わったずら丸が二本目ののっぽの袋を開けながらこてんと首を傾げた。
「で、なんで善子ちゃんはいきなり語り出したずら?」
「ヨハネよ!ってか、あんたが言ったんじゃない。私の運命の相手がどんな人なのかって」
「確かに言ったけど?」
「だから語ってあげようとしたんじゃない。私の運命の相手のこと」
「善子ちゃんの妄想ならいらないずら」
「妄想じゃないっつーの!」
「善子ちゃんは運命の相手に会ったことがあるずら?」
「あるわよ」
「へぇ~…えええええ!?……………善子ちゃんの妄想じゃなくて?」
いや、あるから話そうとしてたんじゃない。
驚くのはいいとして、そのあとになんでそんな疑いの眼差しを向けられなきゃならないのか。理不尽だわ。
「そう、あれはとても暑い夏の日の事だったわ」
「またそこに戻るずら?簡潔にお願いするずら」
簡潔? 簡潔に、ねぇ…………。
頭の中であの日のことをざっくりと思い出し、簡潔にまとめ上げる。
「東京で偶然見かけた」
「簡潔過ぎるずら!」
言う通りに簡潔にまとめたのにワガママね、ずら丸のやつ。
まあでも、ちょっと簡単にまとめ過ぎたかしらね。
「夏休みに東京に行ったんだけど、立ち寄った秋葉原で偶然見かけたのよ。運命の相手はすぐに分かるなんて眉唾ものだと思ってたけどほんとだったのね」
うちの上級生で運命だのなんだのと言いまくってるのがいるけど、私的にはまったく信じてなかったのよね。それほんとに運命なの?って。
だって運命に出会える確率はものすごく低いって言われてる。
数少ないαよりさらに少ないΩの中から運命と言われるほどに相性の良い相手と出会うなんて、宝くじほどじゃないだろうけど結構な低確率だと思う。
「そ、それで善子ちゃんはどうしたずら?声掛けたの?」
「え、声掛けずにそのまま秋葉原を回ったけど?」
「なんで!?運命の相手なのに!?」
「いや、運命だからって絶対番にならなきゃいけないわけじゃないんだし」
「運命とか、そういう意味深(笑)なのが好きな善子ちゃんとは思えない言葉ずら」
ずら丸の言ってる事は当たってはいる。
普段の私なら堕天使ヨハネとして食いついているのだろう。
『運命』
だなんて、ものすごく心踊る言葉だもの!
たった一人、その人だけってロマンに溢れてるわよね!
そんな相手と出会えた、なんて普段の運の無さからすれば幸運にも程があるって踊り出したいくらいなんだろうけど、生憎と私は神様には嫌われてるのだ。
「運命だからって必ず歓迎されるわけじゃないし、一生を共にするならちゃんと好きになった人と番になりたいじゃない」
「善子ちゃんって、そういうとこはしっかりしてるずらね」
「ヨハネはいつもしっかり者でしょうが!」
「冗談は善子ちゃんずら」
「あんたねぇ~…」
すでに興味を失ったのか、ずら丸は三本目ののっぽに手を伸ばす。
あんた今日で何本のっぽ食べてんのよ?そのうち信楽焼きのタヌキみたいになるんじゃないの?
そう思いつつも話がこれで終わった事にそっと安堵する。
相手の事を詳しく聞かれなくて良かった。
私が声を掛けずに相手を見送ったのには理由がある。
それは私がαとしては平凡以下だという事が一つ。
頭が飛び抜けて良いわけでもなく、運動もそれなり。カリスマ?何それ美味しいの?な、αに生まれたのが何かの間違いだと、検査ミスだよね絶対、というくらいにβと変わらない。
さっきずら丸に言った事ももちろん本心だけど、他にも良いαがいっぱいいるんだから運命だからって言うだけで私みたいな微妙なαと番になるなんて相手も嫌なんじゃないかなきっと、なんて思いがあったりするのだ。
それともう一つ。
こっちの方が理由としては大きい。
運命の相手を見た瞬間、全力で神を罵倒した。神には嫌われてるが、これはあんまりだと。
ツインテールが似合う、どう見ても小学生の女の子。
それが私の運命の相手だった。
そんなのに運命だのなんだのと言ったらただのロリコンじゃない!
しかも即通報される類いのヤバい人に絶対思われる!
いくら不幸体質でもそれはさすがにごめんよ!
そんな訳で運命については忘れる事にした。
歳が離れてるし、住んでる所も離れてる。
この前はたまたま偶然会っただけで、また秋葉原に行ったところでもう一度会えるとは限らない。
むしろこのまま会う事もなく生きていくんだと思う。
可愛らしい子だったし、運命なんぞに会わなくても幸せになれるんじゃないかな。
遠く、沼津の地から自分の運命であるだろうΩの女の子の幸せを祈ろう。
そんな風に思っていた時期がヨハネにもありました。
大学を卒業し、母校 浦の星女学院の養護教諭として働き始めた私にある日訪れた転換期。
「せんせー!怪我人ー!」
「はいはい、分かったから騒がない。休んでる子がいたらどうするの」
「あっ、ごめんなさーい!」
「で、怪我人は?」
「………………………置いてきちゃった」
テヘペロ、と擬音が付きそうな顔で言う高海さんにデコピンを軽く食らわし、怪我人を迎え入れるために消毒液とガーゼを用意する。
ジャージ姿から察するに体育の授業。なら絆創膏では済まない怪我だろう。
そういえば傷口は洗ったのだろうか。
問い掛けようとした所でガラッとドアが開いた。
振り向いた先には見知らぬ赤毛の女の子に肩を貸している渡辺さんの姿。
ドクン、と心臓が大きく跳ねる。
「もー、千歌ちゃんってば置いてかないでよ~」
「曜ちゃんごっめ~ん。梨子ちゃん、大丈夫?」
「う、うん。なんとか……」
「じゃあせんせー、手当てお願いしまーす!………………せんせ?」
高海さんの声にハッと我に返る。
「え、ああ、えっと、傷口は洗ってきた?」
「はい、ここに来る前に一応」
渡辺さんの返事に頷き、手近な丸椅子に女の子を座らせて傷口を確かめる。
腕と膝に擦り傷。多少血は滲んでるものの特に深くはないわね。
傷口もきちんと洗ってあるから消毒液をさっと吹きかけて抗生物質を塗ってガーゼを貼る。これでおしまい。
「どこか強く痛む所はある?」
転んだ時、転び方によっては骨にヒビとか神経を痛めてたりもするから聞いておくんだけど、膝の手当てのために足元に屈み込んでいた体勢から顔を上げれば琥珀の瞳と視線がぶつかる。
どこか探るような、警戒するような複雑な色を宿した瞳。
気付かぬ振りで何?とでも言うようにこてんと首を傾げると少しだけ目が細められて「ありません」って応えが返る。
「そ。痛みや腫れが出て来たら、もしかしたら骨や神経がやられてる可能性があるからちゃんとした病院に行くことをオススメするわ。今日は一応おとなしくしておくことね」
琥珀から目を逸らし、立ち上がって使ったものを片付ける。
「ありがとう、ございました」
丸椅子から立ち上がって軽く頭を下げる彼女に手を振るだけで応える。
「せんせ、ありがとうございましたー」
「ありがとうございますー」
律儀にお礼を言っていく付き添いの二人にも手を振り返す。
そしてタイミングは今しかない。今思い付いた風を装って三人に声を掛ける。
「そういえば、その子見ない顔だけど転校生?」
浦の星は生徒数があまり多くない。
さすがに全員ハッキリと憶えてるわけじゃないけど、見覚えくらいはあるものだ。
とりあえずそれを利用してこの子の事を聞いてみる。
「そうですよー。桜内梨子ちゃんって言うんです。梨子ちゃんはなんと!東京は秋葉原!あの音ノ木坂からやって来たんですよー!」
「あの、千歌ちゃんっ。私は音ノ木坂ってだけでμ'sとは関係ないからね!?」
「あー、ごめん梨子ちゃん。千歌ちゃんにとっては音ノ木坂ってだけで特別だから」
「秋葉原ね。私もよく行ったわ。主に夏と冬の某祭典に行った帰りとか」
私の言葉にピクッと反応したけど、もしかしてソッチ系に心得があるとか?
だとしたら人は見かけによらないってとこね。
「親御さんの仕事の都合でこっちに?」
「え、はい、そんなところです」
少しだけ泳いだ目に訳ありかと気付くけど、そこら辺はスルーする。
踏み込むつもりはないから。
「それにしても秋葉原からこっちに来たんじゃ大変じゃない?主に買い物とか」
「そう、ですね。やっぱり品揃えとかかなり違いますから」
「そうだねぇ。内浦じゃなかなかないよねぇ」
「今度沼津を案内するであります。東京に比べたらたいしたことないかもだけど」
「駅周辺ならいろいろあるものね」
「うん。お願いするね」
「任されました!」
ビシッと敬礼する渡辺さんと笑いあう二人。
ちょうどいい区切りだろう。パンパンと手を叩く。
「はい、そろそろ戻りなさい。桜内さんは残りの時間は見学しておきなさい」
「分かりました」
わいわいとお喋りしながら出て行こうとする三人にまだ授業中だからと釘を指し、部屋を出たのを見届け、廊下をそっと伺い姿が見えなくなるのを確認する。
そして、私は叫んだ。
「神は死んだっ!!!」
なんでなんでなんで!東京に居たあの子がここに引っ越して来るわけ!?
確かに引っ越しなんてありえる話だけどなんでこんな内浦なんて田舎、しかも私が赴任してるこの浦の星に来るとかピンポイント過ぎて恐すぎるわよ!
何の魔力が働いたわけ!?
運命補正?そんなのいらないんですけどー!!
しかも私が運命の相手だって感づいているわよね!?
なんかこっちちらちら見られてたような!?
あーあーあーあー!!私の事はほっといてー!
運命だからって番になる必要なんてないんだからー!
どうかこのまま何事もありませんように!!!
そんなささやかな願いが往々にしてフラグになる事を、この時の私の頭からはすっぽりと抜け落ちてしまっていた。
叩きつけられるような、纏わりつくような、甘い甘い匂い。
一呼吸毎に体内に入り込むソレは、自分の意思とは裏腹に勝手に体の熱を上げていく。
視界が歪む。頭がガンガンする。体がブルブルと震える。
Ωのフェロモンをこれほど凶悪だと思ったのは初めてかもしれない。
錠剤なんかじゃ間に合わなくて効果の強い注射の方に切り替えて投与したけど本当に効果が出てるのか分からない。
だって、目の前のΩに食らいつきたくて仕方がない。
犯して孕ませる事しか考えられなくなってくる。
組み敷いて貪って、その項に思いっきり歯を立てたい。
ぐるぐると頭を回るその思考に、行動に移しそうな体に、奥歯が砕けそうなほど力を入れて噛み締めて耐える。
だって本能イコール私の意思ってわけじゃない。
私はそんな事、望んでなんかいない。
「薬は、飲んだの……?」
それだけ言うのもやっとの状態。
だけど相手はもっとギリギリの状態みたい。
声を出すことも首を振ることも出来ず、ただただ体の疼きを抑えるためにうずくまるだけ。
綺麗なワインレッドの髪を見下ろしながら動くに動けない状況にため息の一つも付きたくなってくる。
なんでこっちの保健室に来たんだか。
Ω用の保健室なら抑制剤だってあるし、匂いに当てられたαが入れないように頑丈な鍵だって付けられてるのに。
こっちにだって抑制剤がないわけじゃないけど、私というαがいるからそちらを使うように推奨されてるはずだ。
「………………」
軽く頭を振って思考を切り替える。
今はそんな事考えてる場合じゃない。薬を飲ませないと。
注射をもう一本、腕に打ち込む。
過剰摂取で後が怖いけど背に腹は変えられない。このままじゃジリ貧だ。
いくらαだからって、それがαとΩにとって普通であったとしても、本能に任せて襲ってしまいたくなんかない。
気をちょっとでも緩めれば襲い掛かってしまいそうな綱渡りのなか、抑制剤片手に私的パンデミックの発生地点に近付く。
一歩近付く度に甘い匂いが暴力的なまでの強さで私の意識を揺さぶりかける。
目の前にしゃがみ込み、ぐいっと力任せに顎を持ち上げると熱で蕩けた琥珀がぼんやりとこちらを見つめる。
甘くて美味しそう。
そんなわけないのにその琥珀をそう感じてしまう。
まずい。本能に飲まれかけてる。
慌てて顎を掴んで無理矢理口を開けさせる。片手でなんとか外装を外して薬を取り出し、吐き出されないように指ごと口に突っ込んだ。
「飲んで」
そう目を見つめながら言えばαに従うΩの本能なのか、多少飲みにくいようだけど素直に薬を飲み込んでくれた。
ただ飲み込むのに邪魔だろうと引き抜こうとした指に舌を這わせるのは止めて欲しかった。
ゾワリと背筋を走る痺れが本能に味方してしまうから。
口を開けさせ、きちんと薬を飲み込んだのを確認して。
脱兎の如く、保健室から外に飛び出した。
素晴らしいダッシュだったと自画自賛できるスピードで外に出て、それでもヒートを起こした生徒を放って置くことは出来なくて保健室のドアを背にずるずると座り込む。
αたる器官であるソレが痛いほど張り詰めていきり勃っているのをいまさら認識する。
危なかった。というか現在進行形で危ないんだけど、もう少ししたら抑制剤も効いてくるだろうからそれまで持ちこたえればなんとかなるだろう。
ドアの隙間から漏れてくる匂いを出来るだけ意識しないように素数なんかを数えてみる。
過敏になっている神経を撫で沈めながら、待つこと数分。
背にしたドアにコンコンという音と軽い振動。
落ち着いたのかとドアから背を離し立ち上がると、そっとドアが開かれる。
潤んだ瞳と紅潮した頬。
ものすごい目の毒が目の前に立っていた。
一瞬にして揺さぶられる理性をαとしての矜持と養護教諭としての使命感でねじ伏せてなんとか口を開く。
「大丈夫?」
いや、大丈夫なわけないわよね。抑制剤を飲んでもαがいれば引きずられそうになるはず。
「帰れそうならもう帰りなさい。自力では無理そうなら親御さんに連絡して迎えに来てもらって。それか誰かβの子に付き添いしてもらって帰りなさい」
矢継ぎ早に指示を出すけど全く動こうとしない桜内さんに少しだけイラッとする。
ただでさえ充満した匂いが流れ出していて理性がぐらつきかねないのに。
「早く帰りなさい。それとも…………」
腰に手を回して引き寄せる。
体が密着し、あと数㎝で唇が触れるくらいの距離で小さく、熱を込めて囁く。
「ぐちゃぐちゃになるまで抱かれたい?」
ビクッと跳ねた肩に苦笑いして、くるりと場所を入れ替える。
彼女を廊下に、私は保健室に。
「早く帰りなさい」
それだけ言ってドアを閉めた。
「どうして」と言われた気もしたけど知らんぷりして部屋の換気を始める。
少しの間ドアの外に気配があったけど気付くとなくなっていたから帰ったんだろう。
無事に帰れてるといいけど。
それよりも今問題なのは。
「やっぱり、処理しないと、駄目よねぇ…………」
匂いはほとんど残ってないのにも関わらず全く落ち着いてくれないαの象徴。
ここじゃまずいからトイレか……。
今日一番の大きなため息をついてドアに『不在』の札を掛けた。
「どうして…」
今だ熱を孕む体を抑えながらバスに乗り込んだ。
座席に沈み込みながら先程までの事を思い出す。
あの人が私の運命の人。
小さい頃、一度だけ姿を見掛けた。
ほんの数秒の事だったのに、どこか強く印象に残った人。
大きくなって色んな事を知って、あの人が運命の相手なんじゃないかって気付いて。
でもどこの誰とも分からなくて、また会えるかも分からなくて諦めていた人。
まさか引っ越した先で出会うなんて、これこそ『運命』だって思ったのに何一つそんな素振りを見せなくて気付いてないのかと訝しんで。
そして素知らぬ振りをしているのに気付いた。
なにそれ。
否定するなら、拒絶するなら、さっさとしてくれればいいのに。
知らんぷりで時が過ぎるのを待ってるだけなんて酷くない?
だいたい何?さっきの声。
素知らぬ振りをするのならあんな声出さないで欲しいんですけど!
熱の篭った、低い艶やかな声。
声だけで体が感じるなんて生まれて初めてだった。
至近距離からあんな声聞かされたら誰でも堕ちそうなんだけど?
他の人にもあんな声出してるんじゃないよね?
タラシ?タラシなの?
…………………………うん、なんだか腹が立ってきちゃった。
そっちがその気ならこっちだって好き勝手する。
ヒートに反応したから番はいないみたいだし、こうなったら意地でも何考えてるのか聞き出してみせる。
「うふふふふ……いまに見てなさいよ………」
まずは敵を知らなきゃね。
ヒートが終わったら千歌ちゃん達に色々聞かないと。
今頃くしゃみでもしてるんじゃないかと思うあの人に心の中で宣戦布告を叩きつけた。
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