* * *
──あの後, 脱衣所の落ちていた로자리오は普通に拾い上げることが出来た。
다이아「……はぁ」
酷く気疲れしてしまった。
로자리오が気持ち悪いと思ったのも, 恐らく気のせいでしょう。……恐らく気のせいでしょう。
치카「あ, 다이아さん。おかえり……どうしたの? 顔色悪いよ……?」
戻ってきて早々, 치카양に心配されてしまう。
다이아「い, いえ……なんでもありませんわ」
치카「そう……?」
……思うことはたくさんある。ですが, これは絶対に치카양に伝えてはいけない類の問題。
もし……もし, わたくしの懸念が事実だとしたら……。
いや, やめましょう……。伝えたくないのなら今考えるべきではない。
치카「じゃあ, ご飯にしよ? 作ったから」
言われてちゃぶ台の上を見ると──目玉焼き, 白米と海苔が用意してあった。
다이아「まあ……! 치카양が一人で用意したのですか?」
치카「うん。お味噌汁もあったらいいかなって思ったんだけど……水が使えないから諦めた。あと調理器具……洗えなかったから放置してます」
다이아「問題ありませんわ。あとでわたくしが全て片付けておきますから。それにしても, 치카양料理上手ですわね」
치카「ん, まあ……お父さんが簡単な料理くらい覚えろってうるさいんだよね」
다이아「치카양のお父様が?」
치카「お父さん板前だから……」
다이아「まあ, そうでしたの?」
치카「あれ? 言ってなかったっけ? ……それに目玉焼きは得意だから! ご飯はよそっただけだけど……」
다이아「いえ……味わって食べますわ。いただきます」
치카「ふふ, 召し上がれ」
目玉焼きに醤油を少しかけて, 頂く。
다이아「……ふふ, おいしい」
思わず笑みが零れる。おいしいのも勿論なのですが……何より, 昨日おむすびを作りながら, あんなことを言っていた치카양が手料理を振舞ってくれていることが何よりも嬉しかった。
치카「よかったぁ……目玉焼きなんて, 誰が作ってもそんなに変わらないけどね」
다이아「真っ黒コゲになっていたら, 大分味が変わりますわよ?」
치카「まあ, そうだけど……それは目玉焼きというか, 焦げた卵だし。チカにも醤油ちょーだい」
다이아「はい, どうぞ」
치카양も目玉焼きに醤油をかけて, 食し始める。
다이아「치카양も醤油派ですか?」
치카「ん? んー……醤油でも塩でもソースでも食べれるけど……。普段は白だしが好きかな」
다이아「白だしですか? ……珍しいですわね」
치카「あはは, まあ少数派だよね。でも, おいしいんだよ?」
다이아「そうなのですか……今度試してみようかしら」
치카「目玉焼きに何かける論争って, いつまでも決着つかないよねぇ……チカは白だし派だから, 高見の見物だけど。……あ, ちなみに今のは苗字の高海と掛けた──」
다이아「それは説明しなくていいです。……카난さんは塩派だったかしら」
치카「あ, うん, そうだよ。曜ちゃんは醤油派だから다이아さんと同じだね」
다이아「まあ。曜さんに少し親近感を覚えますわね」
치카「同じ家に住んでるから, 루비ちゃんも醤油?」
다이아「ええ。というか, 目玉焼きと一緒に出てくる調味料が醤油しかないので, 自然と……」
치카「あー……そういうのあるよね。私も自分で用意しないと, お母さん白だし全然出してくれなくて……大体厨房行ってお父さんに貰ってる。梨子ちゃんみたいにお料理好きだと自然といろいろ試すんだろうけどなぁ」
다이아「ちなみに梨子さんは何をかけるの?」
치카「梨子ちゃんはケチャップって言ってた気がする」
다이아「なるほど, ケチャップですか……少数派ですわね」
치카「白だしほどじゃないけどね。他の皆は何かけるんだろう……마리ちゃんとか, とてつもない高級な調味料とかで食べてそう」
다이아「……というか, 日常的に目玉焼きを食べているのか疑問ですわね……。さすがに食べたことがないということはないと思いますが……」
치카「하나마루ちゃんは醤油か, 塩胡椒ってイメージかなぁ」
다이아「確かに하나마루さんの家も和風料理が多いみたいですからね。あとは……요시코さんかしら」
치카「요시코ちゃん……タバスコとかかけてそう」
다이아「ありえますわね……」
二人で他愛もない会話をしながら, ご飯を食べる。
……よかった, 치카양。少しは元気になってくれて……。
──程なくして,
다이아「ご馳走様でした」
치카「おそまつさまでした♪」
食べ終わる。
다이아「それでは, あとはわたくしが片付けて置きますから。치카양は制服に着替えていてくださいね」
치카「……練習だけだから, 練習着で行っちゃだめ?」
다이아「ダメです。学校に行くなら制服を着ていかなければ」
치카「ちぇ……はーい」
お皿とお茶碗を持って, 厨房へと足を運ぶ。
치카양の言う通り, 調理器具はそのままにしてあったので, 一緒に洗うために流しに下ろして……。
다이아「…………わたくしは大丈夫ですわよね」
変に意気込んでも意味がないので, 洗い物のために蛇口から水を出す。
다이아「…………」
流れている水を見て, 顔を顰める,
明確に言葉にしづらいですが, 不快感的なものがなくはないと言ったところ。
다이아「……手早く洗ってしまいましょう」
多少違和感こそあるものの, 치카양のように触れないと言うことはなかった。
そのまま二人分の食器と, 調理器具を洗い終えて, さっさと部屋に戻る。
わたくしも制服に着替えないといけませんし。
치카「あ, 다이아さん, おかえり」
部屋に戻ると, 치카양がいつもの制服姿になっていた。
다이아「わたくしも早く着替えないと……」
時計にちらりと目をやると, 時刻は12時を指していた。
そろそろ出ないといけませんわね。
自室に掛けてある制服に近付き, 部屋着のポケットから出来るだけ視線を向けないように, サッと로자리오を制服のポケットにしまってから, すぐに着替え始めた。
* * *
──玄関。
다이아「치카양, 忘れ物はないですか」
치카「うん, だいじょぶー」
다이아「……忘れ物はなさそうですが, リボンが曲がっていますわ」
치카「え, うそ?」
다이아「今直しますから, じっとして……」
치카「別に授業とかあるわけじゃないし……適当でも……」
다이아「制服の乱れは心の乱れです。授業の有無とは関係ありません」
치카「다이아さん御堅いなぁ……」
다이아「生徒会長なので。……これでよし」
치카「えへへ, ありがと」
そのまま, 玄関に腰掛けて靴を履く치카양に,
다이아「はい, 日傘」
치카「あ, うん! ありがと!」
日傘を手渡す。
これがないと, こんな快晴日和に外を出歩くなんて, 自殺行為ですからね……。
むしろ흡혈귀でなくても, 日傘が欲しいくらいで……。
わたくしも自分で使う用の日傘を傘立てから, 取り出して。
다이아「それでは……行きましょうか」
치카「うん」
二人で玄関を出る。
正午過ぎなので, 太陽は一番高い。
日影は出来辛い時間帯なものの, 建物の中に日差しが入ってくることもあまりない。そんな時間。
치카양が脚が日向に出た, 途端。
──ボウッ
燃えた。
치카「!!?!!?! あっづ!!!?!!?!」
そのまま, 脚がもつれて, 치카양が前方に倒れこむ。
つまり, 全身が日向に投げ出されて。
──途端に火達磨になった。
치카「──────ッ!?!??!!?!?」
もはや言葉にすらなっていない, 悲鳴が響き渡った。
わたくしは──目の前の光景に対して, 脳が理解を拒んで, 動けなくなっていた。
치카「あついっ!!!!! あづっ, あぁあ゛ぁ゛ああぁぁぁ゛!!!!! あづい, あづい!!!! あづいあづい゛あ゛つ゛い゛っ!!!!!!!!」
치카양が目の前で絶叫しながら, のたうちまわっている。
なんで, 치카양は燃えているの……??
치카양が……燃えている……??
燃えてる……!?!
다이아「치카양っ!!!!!!」
脳がやっと意味を理解して, わたくしは飛び出した。
치카「あづいっ゛!! あづい゛あづい゛よぉ……っっ!!!!!!!」
다이아「치카양!!!!」
無我夢中で치카양の身体を掴んで軒下に引っ張り込む。
치카「はっ……はっ……はっ……はっ……!!!!!」
다이아「치카양っ! 大丈夫ですか?!」
幸いな事に, 日影に引っ張り込むと, 치카양の身体の炎はすぐに鎮火した。
치카「……は……は, ははは……」
치카양は焦点の合わない目で, 日向を見て, 変な笑い声をあげていた。
다이아「……っ! 今すぐ, 部屋に戻りましょう!!」
치카「あ, ははは……」
強引に치카양を引きずるようにして, 家の中に引き返す。
다이아「치카양っ!! しっかりしてっ!!」
치카「……あ, ははは……」
치카양は……気付けば, 笑いながら, ぽろぽろと涙を流していた。
다이아「……っ」
どうにか, 力の限り引っ張って, 玄関まで引き返してこれた。
ここまではさすがに日の光は入ってこない。
다이아「치카양っ!!」
改めて, 状態を確認するために, 声を掛ける。
その際に燃えてしまった全身を確認する。
燃えたのは一瞬だったためか, 火傷痕のようなものは見えないですが……。
激しく暴れていたためか, 腕に痛々しい感じの大きな擦り傷が出来ていた。
치카「あ, はは……? いき, てる……?」
다이아「大丈夫です!! 生きてますわ!!」
치카「そっか……死んだかと……思った……っ……。……ぅ……うぅぅ, うぇぇぇぇ……っ……」
치카양はそう言いながら, 自分の身体を抱くようにして縮こまり, さめざめと泣き出した。
다이아「……怖かったですわね……大丈夫, ちゃんと生きていますわ……」
치카「うっぐ……っ……ひぐっ……ぅぅぇぇぇ……っ……んぐ……っ……ひっぐ……っ……」
치카양を抱きしめて, 慰めながら……。わたくしも混乱していた。
何が起こっている……?
いや, 起こったこと自体は単純です。
燃えた。
흡혈귀が日光に焼かれて燃えた。
치카「……ぅっぐ……ひっぐ……ぅっく……」
다이아「…………」
いえ……状況確認も大事ですが, 今は치카양を安全な場所に避難させることが最優先ですわ。
다이아「치카양……部屋まで歩けますか……?」
치카「……ぅぐ……っ……ぅん……っ……」
覚束ない足取りの치카양を支えながら, わたくしはどうにか自室へと引き返しすことにしたのでした。
* * *
다이아「…………」
치카「すぅ…………すぅ…………」
あのあと, 치카양は錯乱に近い状態で, ずっと泣き続けていました。
よほど怖かったのでしょう……。
全身火達磨になったのです, 当たり前ですわ。
擦り傷だらけになった腕は치카양が泣きじゃくっている間に手当てをしてあげましたが……。
その間も, 痛い痛いと子供のように泣き叫んでいました。
相当混乱していたから仕方がないのですが……手当てをせず放っておくわけにもいきませんでしたし。
──そして, その後, 泣き疲れたのか, 気絶するように眠ってしまいました。
とりあえず, 毛布だけ掛けてあげて……。
わたくしは一人考える。
とんでもないことが起こった。
흡혈귀化は確かにずっと加速していた……だけれど, まさか突然日光で燃えるようになるとは思わなかった。
しかし, 現実に起こった以上は認めるしかない。そして, そこから導き出される考えは──
다이아「……흡혈귀化の進行と共に, 今までなかった흡혈귀性が現れ始めている……?」
それしかなかった。
勝手に치카양にはないものだと思い込んでいた。でも, 違った。ただ, 要素として“まだ”出現していなかっただけに過ぎなかった。
다이아「……そういえば」
起きてすぐにもおかしなことがあった。
다이아「写真……」
スマホのカメラで치카양をうまく撮影することが出来なかった。
……カメラが勝手に天井の方を撮ってしまうというバグ。
時間がなかったから流してしまいましたが……そんなバグ, 普通ありえるのでしょうか?
天井を撮ってしまったのではなく……치카양が写らなかっただけなのでは……?
다이아「…………」
化粧台から, 手鏡を取り出して, 치카양に向けてみる。
다이아「! ……そういうことでしたのね」
予想した通り, 치카양は手鏡には映っていなかった。
흡혈귀の要素──鏡に映らない。
レンズだって広義の意味で言えば鏡面です。
きっとあの時点で彼女はもうすでに鏡には映らなくなっていた。
そしてこれも, 흡혈귀性の進行によるものだと考えて, 間違いないでしょう。
다이아「考えてみれば……昼に흡혈귀性を保ったままだった時点で, 日光にはもっと注意するべきでしたわ……」
自分の考えの甘さに思わず唇を噛む。
とりあえず, 取り急ぎ今日はわたくしと치카양は練習を欠席するという連絡を曜さんと카난さんに送った。
それはいいとして, このあとどうする……?
本日は요시코さんの家に泊まりに行っていた루비も帰ってくる。
別に루비が帰ってくること=치카양を置いておけなくなると言うわけではありませんが……。
다이아「ただ……いつまでも誤魔化すことは絶対に無理ですわ……」
치카양とわたくしの家は近いため, 最悪吸피衝動に耐えられなくなったら, 치카양に自宅に呼んで貰う形でどうにか対処をしようと思っていましたが……。
もう, こうなってしまっては本当に치카양を一人にするわけにはいかない。それこそ何かの拍子に日光に焼かれて焼け死んでしまうのではないか。
じゃあ, どこに行く……?
치카양の家に泊まる……?
いや, それも結局, 他の人にバレるリスクは大して変わらない。
치카양のご家族もいますし, すぐ隣には梨子さんの家もある。
다이아「人払いがちゃんと出来ている場所……どこか……」
考える。
다이아「…………学校に戻る……? いや, 日中が逆に危険すぎる……」
むしろ日中こそ隠れ続けられる場所が必要なのです。
そうなると……部屋を借りる……。
다이아「ホテルの部屋なら……」
それなら, 自由に出入りが出来るし, 仮に出てこなくても誰に咎められることもない。ただ, 問題は……。
다이아「そんなお金……用意出来るわけありませんわ……」
どんなに安い宿泊先だったとしても一泊3000円程度が恐らく下限でしょう。
しかも今は황금연휴の真っ只中, 値段も上がっているでしょうし, そもそも部屋が確保出来るかもわからない……。
加えてわたくしと치카양二人で泊まったら, それこそ手持ちから考えても황금연휴を乗り切ることすら難しいかもしれない。
다이아「どうすれば……」
せめて, 格安のホテルを知ってる人がいれば……。
다이아「……ホテル? ……格安ではないですが……いるではないですか, 身近に」
わたくしはすぐさま, そろそろ起き抜けて来て練習に行く準備をしている頃合であろう, 幼馴染に電話を掛ける──
* * *
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