* * *
ゆっくり回る夜空を二人で旅しながら, 気付けばだんだん空が白んできた。
時刻は4時半過ぎ。
치카「다이아さん……」
다이아「なぁに?」
치카「最後の……吸피, かな」
다이아「……そうですわね」
치카「…………」
다이아「どうしたのですか」
치카「うぅん……なんでもない」
다이아「そう?」
치카「うん」
……やっと, 終わる。
この長いようで短かった, 흡혈귀の彼女と過ごした時間も。
不謹慎なので, 口には出来ませんが──思い返してみると, 少しだけ寂しい気持ちもあるかもしれません。
先の沈黙……もしかしたら, ですが……치카양も少しだけ寂しいと思ってくれたのかもしれません。
다이아「치카양……」
ぎゅーっと抱きしめる。
もうこうして, 彼女を抱きしめる理由も, なくなってしまいますから。
忘れないように, 強く抱きしめる。
치카「다이아さん……」
それに応えるように背中に回された彼女の腕にも, 力が篭もるのがわかった。
치카「……酷いこと言って良い?」
다이아「……聞いてから考えますわ」
치카「……피, いっぱい吸っていい?」
다이아「それは酷いことなのですか?」
치카「だって……다이아さんはごはんじゃないもん」
다이아「ふふ……そうね」
치카「……でも, 다이아さんの피……おいしいから」
다이아「それは褒められてるのですわよね。……피の味を褒められるなんて, もう今後ないでしょうけれど」
치카「あはは, そうだね。다이아さんの피の味を知ってるのは……チカだけだね」
다이아「……じゃあ, 最後ですから。……好きなだけどうぞ。ただ, 死ぬほどは吸わないでくださいね?」
치카「それってどれくらい?」
다이아「えーっと……500mℓペットボトル1.5本分くらいでしょうか」
치카「絶対そんなに飲めない……お腹たぽたぽになる」
다이아「じゃあ, 安心ですわね……どうぞ」
치카「うん……──ぁーむっ……」
──キバが首筋に突き刺さってくる。
다이아「……っ……」
最後の吸피。
치카「…………ちゅぅ……ちゅぅ……」
다이아「…………んっ…………♡」
噛まれた辺りからぞわぞわとした刺激が拡がっていって, 声が漏れる。
치카「…………ちゅー……ちゅー……」
다이아「…………ちか, さん……♡ ……わたくしの피……おいしい, ですか……?♡」
치카「…………ちゅ, ちゅ……」
치카양は吸い付きながら, コクコクと頷く。
다이아「……そ, う…………んっ……♡」
何故だか, 치카양が美味しそうに피を吸ってくれると, 嬉しいなと思った。
これもチャームの一種なのでしょうか。
……きっと, そうなのでしょう。
치카「…………ちゅ, ちゅ, ちゅぅー…………」
다이아「ふふ…………♡ …………いっぱい, 飲んでください…………♡」
心臓がドキドキと早鐘を打つ。
치카「…………ちゅーーー……ちゅーーー…………」
다이아「……は……ぁ…………♡ ……ちか……さ……ん…………♡」
そろそろ, まずいかも……。
頭の中に靄が掛かり始めた, そんな頃合で,
치카「……ん, ぷはっ」
치카양が口を放した。
キバが抜ける。
다이아「……ん゛……♡」
치카「……は……ふ……ふぅ……おいしかったよ……」
다이아「ふふ……それは……なにより, ですわ……」
たくさん피を吸われたせいなのか, いつもより長い吸피だったからなのか, 輪をかけて身体に力が入らない。
また, 치카양にもたれかかるようして, 抱きしめてもらう。
치카「다이아さん……」
……夜明けまでもう20分もない。
치카양はわたくしを抱きしめたまま, 震えている。
抱き返したいが, 脱力してしまって, 抱き返すための力が入らない。
ただ, ただ時間が過ぎていく。
치카양が震えているのを感じながら──ただ, ただ時間が過ぎていく。
치카「……다이아さん」
다이아「……はい」
치카「……いってくるね」
夜明けと共に彼女の口から出た“さいご”の──覚悟の言葉。
そして, 彼女は……わたくしから離れて, テントの外へ──夜明けの世界へと一人で旅立った。
♣ ♣ ♣
──テントから出る。
치카「はぁ……はぁ……はぁ……はぁ……っ……」
心臓が意味不明なほどの早鐘を打っている。
脚がガクガクと震えている。
치카「は……はっ……はっ……はっ…………!!」
あと1分もしない間に, 다이아さんと二人で確認した──夜明けの時間だ。
치카「…………はっ, はっ, はっ, はっ」
脚だけじゃない, 腕が, 膝が, ガタガタと震えだす。
치카「っ……!!」
拳を握りこむ。
치카「……止まれ……っ……!!!」
声を出したら, その拍子にカチカチカチと音が鳴り始める。
口が震えていた。
치카「……っ゛!!!!」
思いっきり噛み締める。無理矢理震えを押さえつける。
怖くない, 怖くない, 怖くない, 怖くない, 怖くない。
景色の遥か先──東の空が光を帯びていく。
치카「……っ!!!!!」
──怖い!
あと何秒。
もう10秒もない。
怖い, 怖い, 怖い。
怖い!!!
息が出来ない。
全身が震える。
恐怖で心臓が壊れそうだ。
指先の感覚がない。
頭がぐわんぐわんする。
地面がぐにゃぐにゃする。
ダメだ, ダメだ, ダメだ……!!!
無理, 無理, 無理……!!!!!
치카「はっ!!! はっ!!!! はっ!!!!」
太陽が顔を出す。
私を焼き尽くす, 焔が顔を出す。
치카「っ゛!!!!!!!」
──そのとき。
声がした。
「──치카양, 頑張って──」
치카「!!!!! うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!」
叫んで脚を踏みしめて。
夜が──明けた。
太陽光線が真横から私に照り付ける。
──ボウッ!!!!!!
音を立てて, 全身が一気に燃え盛る。
치카「あっづ!!!!!!!!!」
第一声の悲鳴と共に, 熱が一気に全身を焼き尽くす。
치카「っ゛ぁ゛ああ゛あぁ゛ああぁあ゛ッッッッ!!!!!!!!!!」
燃えてる。身体が燃えてる。
치카「あづ, あ゛づぃ!!!! あ゛つ゛いっ゛!!!!!! あ゛つ゛い゛ぃ゛っ!!!!!!!!」
熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い!!!!!!!!!
熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い!!!!!!!!!!!!!!!!!
熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い!!!!!!!!
全身が焼き切れる。
치카「あ゛つ゛……ぁ゛──」
意識が遠のく。
치카「──……っ゛あ゛ぁ゛あ゛ぁぁぁ゛!!!!!!」
熱で意識を無理矢理戻される。
地獄。
死ぬ。
熱い。
치카「……あ゛つ゛, あ゛つ゛ぃ゛よ゛ぉ……」
あ, もう。ダメだ。
たぶん死ぬんだ。
生き物って痛かったり, 熱かったりすると, 死ぬんだ。
そんな当たり前のことが頭の中を過ぎって行く。
치카「ぁ……ぁ……ぁ……ぁ……ァ」
死, ぬ。
「치카양」
치카「ぁ……」
「あとちょっとだから……」
치카「ぐ……っ゛……」
「頑張って……」
치카「……は, ぁ……はぁ……ぁ……」
身体の感覚がなかった。
……たぶん, これが死ぬってことなのかな。
「치카양……」
声がする。
大好きな声。
私の大好きな人の声。
「치카양……」
치카「──다이아……さん……」
다이아「치카양……」
치카「……다이아, さん……?」
다이아「치카양……よく, 頑張りましたわね……」
치카「…………ぁ」
다이아さんの言葉で, 我に返る。
全身を包む炎は──消えていた。
치카「……生き……てる……」
다이아「……ええ……っ……」
치카「…………ぁ……っ」
膝から崩れ落ちる。
치카「ぁ……っ……ぁっ……」
生きてることを実感して, 涙が溢れてきた。
다이아「치카양……っ」
치카「ぅ, ぅぁっ……ぅぁぁぁ……っ……生きてる……っ……ぅぐ……っ……生きてるよぉ……っ……」
다이아「ええ……っ!!……生きてますわ……っ……!!」
치카「……ぇぐ……っ……生きてる……よぉ……っ……ぁぐっ……ぇぐ……ぐずっ…………うぇぇぇぇ……っ……」
다이아「……치카양……っ……!! ホントに……っ……ホントに, よく頑張りましたわ……っ……!!!」
──こうして, 私の……太陽との戦いは終わったのでした。
……太陽との戦いは。
* * *
다이아「これは?」
치카「요시코ちゃんがよく持ってるやつ」
다이아「ちゃんと名前を言いなさい……」
치카「로자리오」
다이아「正解。持ってみて」
치카「うん」
다이아「何か思うことは?」
치카「……特に。無」
다이아「無ですか……じゃあ, 次。これは, なんですか」
치카「ニンニク」
다이아「食べてみてください」
치카「え, 生?!」
다이아「冗談ですわ」
치카「冗談きついって……」
全てが終わったあと……わたくしは自宅で치카양と最後の確認を行っていた。
十字架, 大蒜は問題ない。
치카「それより……お風呂入りたい」
……流水も問題なさそうですわね。
치카「……다이아さんと一緒に入りたいなー」
다이아「……片付けたら行きますわ」
치카「ほんとに? 嘘ついたら怒るからね」
다이아「ちゃんと行きますから……」
……치카양の흡혈귀性は完全に消滅したと言っても過言ではなかった。
加えて不思議なことに, わたくしに発現していた, 症状もまるっと全て消失していた。
다이아「……치카양の力による흡혈귀化だったから, 치카양が人間に戻ったから一緒に戻ったということなんでしょうか……?」
まあ……戻ってくれたのなら, 何よりなのですけれど。
──大蒜を新聞紙で包み, 保存用のジップロックに入れてから, チルド室に入れる。
로자리오は……今度요시코さんに返さないといけませんわね。
……ただ, 自分用の로자리오を今度買いに行きましょうか。
十字架が本当に効果的な魔よけになると, 嫌と言うほどわかったので……。
다이아「さて……わたくしもお風呂に」
「──으갸아아아아아아아아아아아!!!!!!!!!」
다이아「…………そういえば치카양……擦り傷だらけでしたものね」
さぞ傷口にお湯が染みることでしょう。
お風呂から聞こえてくる悲鳴に肩を竦めながらも, わたくしは치카양の元へと歩く。
치카「死ぬ!!!! 痛すぎて死ぬ!!!!!」
다이아「それくらいじゃ, 死にませんわよ……全く」
やっと, 騒がしいいつもの치카양が戻ってきてくれて。
다이아「……ふふ」
わたくしは少しだけ笑ってしまった。
다이아「치카さーん? 久しぶりのお風呂なのですから, 肩まで浸かって100まで数えるのですわよー?」
치카「뭐어?!!! 다이아씨는 오니!!! 악마!!!! 흡혈귀ーーーー!!!!!!」
だけれど, 少しだけ変わった치카양との関係に, 何故だか少しだけ期待に胸を躍らせて,
わたくしは, ここからの道を, また始まった道を──치카양と共に歩いていこうかなと, そう思った, 어느 황금연휴에 일어난 일이었어요.
* * *
* * *
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