다이아「흡혈귀의 소문」12

* * *

 

 

 

 

 

치카「…………んゅ……」

 

 

あのあとしばらく泣き続けていた치카양は, 泣き疲れたのか, わたくしの胸に抱かれたまま, 眠ってしまった。

 

辺りを見回すと, 障子の先で空が白み始めているのがわかる。

 

흡혈귀が眠る時間が始まりますわね……。

 

 

다이아「今お布団を敷きますから……少し待っていてくださいね」

 

치카「ん……ぅ……」

 

 

치카양をゆっくり畳に寝かせてから, 布団を敷く。

 

 

다이아「치카양, ちょっと移動しますわよ」

 

치카「……んぅ……」

 

 

流石に카난さんのように, お姫様抱っこをする腕力はないので, 치카양を抱きしめるようにして, 起き上がらせ, 寝ぼけたままの彼女を布団に誘導する。

 

 

다이아「はい, 到着」

 

치카「ぅん……」

 

다이아「おやすみなさい, 치카양」

 

치카「………………すぅ……すぅ……」

 

 

치카양はすぐに寝息を立て始めた。

 

 

다이아「ゆっくり, 休んでくださいね……」

 

 

せめて, 眠っている間くらいは安心した気持ちで居て欲しい。

 

そう願いながら, わたくしは自然と彼女の頭を撫でていた。

 

 

다이아「……ふぁ……」

 

 

なんだか, わたくしも眠くなってきましたわね……。

 

 

다이아「……わたくしも眠りましょうか」

 

 

また明日も何が起こるかわからない。

 

ちゃんと眠って体力を回復しなければ……。

 

自分が使う布団を敷くため立ち上がろうとしたとき,

 

 

치카「……ゃ……」

 

다이아「……?」

 

 

치카양が小さな声をあげて, 服の裾を掴んでくる。

 

 

치카「……ひとりに……しないで……」

 

다이아「…………」

 

 

寝言でしょうか。

 

 

다이아「……仕方ありませんわね」

 

 

わたくしはそのまま, 치카양の眠っている布団にお邪魔する。

 

 

치카「……ん……ぅ…………すぅ……すぅ……」

 

다이아「ふふ……루비が怖い夢を見たときみたいですわね……」

 

 

お姉ちゃん, いかないでと……。寝ぼけながら, わたくしの服の裾を掴む妹の姿を思い出す。

 

 

다이아「……妹がもう一人増えたみたいですわね」

 

치카「……すぅ……すぅ……」

 

다이아「……ちゃんと傍にいますから」

 

 

そしてこういうときは決まって, 安心させるために, 手を握るのです。

 

 

치카「…………にゅ…………すぅ……すぅ……」

 

다이아「치카양……おやすみなさい」

 

 

再び彼女に就寝の挨拶をして, わたくしは目を瞑った。

 

わたくしが眠りに落ちるまでの間ずっと……치카양の手を握りながら……。

 

 

 

 

 

* * *

 

 

 

 

 

──翌日。

 

 

다이아「ん……」

 

치카「……すぅ……すぅ…………」

 

다이아「……?!」

 

 

起きると, 目の前に치카양の顔があった。

 

──…………あ, ああ……一緒の布団で眠ったのでしたっけ……。

 

昨日は手を繋いで眠ったところまでは覚えているのですが, 気付いたら치카양はわたくしの胸の辺りにすっぽり収まり──わたくしは何故か치카양の背中に手を回す形で抱きしめていた。

 

 

다이아「………………」

 

 

我ながら眠っている間に何をしているんだと思ってしまいましたが, もう流石に妹の루비とも床を一緒にすることが減った今日……一緒の布団で誰かが眠ってくれるという安心感で無意識に抱きしめてしまったのかもしれない。

 

루비と一緒に眠っているときも, 朝起きたら루비を抱きしめていたこと……そういえば, ありましたわね。

 

 

다이아「なんだか……この感覚, 少し懐かしいですわね……」

 

치카「…………すぅ……すぅ……」

 

다이아「ふふ……本当にもう一人, 妹が出来たみたいですわ……」

 

 

思わず頭を撫でると,

 

 

치카「…………んゅ……」

 

 

치카양は小さく声をあげながら, くすぐったそうに身じろぎする。

 

 

다이아「ふふ……なんだか, 可愛いですわね……」

 

치카「ん…………だいゃ, さん…………?」

 

다이아「おはようございます, 치카양」

 

치카「ぉはょ…………ぅ…………」

 

 

寝ぼけ眼の彼女は, わたくしの胸に頬ずりするように, 顔を押し当てたあと──

 

 

치카「……くぅ…………くぅ………………」

 

 

再び寝息を立て始めました。

 

 

다이아「……お寝坊さんね」

 

 

全く困った子ね。と内心笑ってしまいますが……。

 

──それだけ, 今は安心しているということ。昨日からずっと不安に押し潰されそうな様子だったので, 今の気の抜けた感じは逆に安心する。

 

もしかしたら……ですが, 彼女も妹として, この状況に無意識に懐かしさを感じているのかもしれませんわね……。

 

 

다이아「今日はお休みですから……特別ですわよ, 치카……」

 

 

彼女の姉になったような気分で, 頭を撫でながら──

 

 

다이아「わたくしも……もう少し, ゆっくりしようかしら……」

 

 

치카양の温もりを感じながら, 幸せなまどろみをもう少し楽しむことにしたのでした。

 

 

 

 

 

* * *

 

 

 

 

 

……さて, わたくしたちが起きたのは13時過ぎでした。

 

 

치카「ふぁぁ……よく寝た……」

 

 

8時間睡眠……やや, 寝過ぎな気もしますが, まあいいでしょう。今日はお休みですから。

 

 

치카「ん……? 다이아さんどうしたの? なんか, 嬉しそう……?」

 

다이아「ふふ, なんでもありませんわよ。さ, 치카양はお布団を畳んでくださいませ。わたくしはその間に朝ご飯……じゃなくて, お昼ご飯を作ってきますので」

 

치카「あ, はーい」

 

 

部屋を出ていこうとして,

 

 

다이아「……と, その前に」

 

치카「?」

 

 

戻ってきて, 치카양の頬に手を添える。

 

 

치카「ふぇ?!///」

 

다이아「치카양」

 

치카「ん?!/// え?!/// い, いきなり?!///」

 

다이아「……? 口を開けてください, 歯を見ますので」

 

치카「ハ……?/// ……あ, ああ歯ね……///」

 

다이아「……? どうかしたのですか?」

 

치카「……急に頬に手とか添えてくるから……キスされるのかと思った……///」

 

다이아「?!/// な, なんでそうなるのですか?!///」

 

치카「い, いや, だからびっくりしたんだって……!!///」

 

다이아「も, もう!!/// バカなこと言ってないで早く口開けて!/// 確認しますから!!///」

 

치카「う, うん……!/// あ, ぁー…………///」

 

 

치카양が例のごとく口を開く。

 

そして, わたくしも例のごとく彼女の口の中を観察する。

 

 

다이아「……歯はちゃんと元に戻ってますわね」

 

 

まあ, 戻ってなかったら困るのですが……。

 

この分なら, 日中の観察はあまり必要ないのかもしれない。

 

흡혈귀は知っての通り夜の生き物。

 

夜以外はその本性を表すこともありませんでしょうしね。

 

 

다이아「もう, いいですわよ」

 

치카「……んぁ……。うん」

 

 

치카양が口を閉じたあと。

 

目が合う──

 

 

치카「…………///」

 

다이아「…………///」

 

 

さっきのやり取りを思い出して, 二人して紅くなる。

 

 

치카「다이아……さん……///」

 

 

って, なんでこんな雰囲気になっているのですか?!

 

 

다이아「ち, 치카양っ!!!」

 

치카「?! は, はい?!」

 

다이아「貴方は布団を畳むっ!! わたくしはご飯を作るっ!! いいですわねっ?!」

 

치카「ら, らじゃー!!」

 

 

半ば無理矢理, その場から逃げるように脱出する。

 

 

다이아「……///」

 

 

──もう, 心臓の音がうるさい……。

 

昨日から変に意識してしまって調子が狂う。

 

하나마루さんや치카양の言動もそうなのですが……。

 

 

다이아「チャームの影響もあるのかしら……」

 

 

チャームはそもそも魅惑の能力だと요시코さんや하나마루さんは言っていたし……。少なからず影響がある可能性は否めない。

 

──ドクン, ドクン, ドクン。

 

 

다이아「ああ……もう……///」

 

 

こういうときは体を動かした方がいい。……早く昼食を作ってしまいましょう。

 

 

다이아「……流されてはいけませんよ, 黒澤다이아……」

 

 

自分にそう言い聞かせながら, 胸の鼓動を誤魔化すように, わたくしは厨房へと足を運ぶのでした。

 

 

 

 

 

* * *

 

 

 

 

 

치카・다이아「「いただきます」」

 

 

本日も二人揃って, 昼食をいただく。

 

今日も簡単にサンドイッチを作りましたが, 今日は冷蔵庫を開けられる状態でしたから, ハムとゆで卵を挟んでいるので, 昨日より味気があると思いますわ。

 

 

치카「もぐもぐ……」

 

다이아「……おいしいですか?」

 

치카「うん, おいしいよ」

 

 

サンドイッチを食べながら, 時折トマトジュースを飲む。

 

その繰り返しで치카양は昼食をもくもくとお腹に収めていく。

 

 

다이아「…………」

 

 

あまり落ち込んでいる様子は見せないようにしているのかもしれませんが, 明らかに口数が少ない。

 

 

다이아「……치카양」

 

치카「……ん?」

 

다이아「この後……はとりあえずお風呂ですわね。髪を乾かしたら沼津までお出かけしませんか?」

 

치카「……この時間からだと, 行ってもすぐに日が落ちちゃうんじゃないかな」

 

다이아「確かにあまり長居は出来ないかもしれませんけれど……。今日はいい塩梅の曇り空ですし。天気予報を見たら雨も降らないみたいですので」

 

 

有り難いことに, 今日は昨日と違って日が隠れているし, 雨が降る心配もない。

 

今の치카양が安心して出歩ける貴重な天気なのです。

 

 

치카「ん……でも……」

 

다이아「余り家でじっとしていても, どんどん気落ちしてしまうと思いますから……。少し気晴らしにお買い物をしましょう?」

 

치카「……わかった, そういうことなら」

 

 

よかった, 納得してくれた。

 

 

다이아「それでは, 早く食べて片付けてしまいましょうか」

 

치카「うん」

 

 

 

 

 

* * *

 

 

 

 

 

──浴室。

 

 

치카「ふぅ…………」

 

다이아「お湯……大丈夫ですか?」

 

치카「うん, 昨日の朝方入ったのに比べると……」

 

 

やはり, 흡혈귀化していない状態だと, 水への精神的抵抗が減るみたいですわね……。

 

流水はやはり無理なようなので, 気をつける必要こそありますが……。

 

……しかし,

 

 

치카「ふぇ……? どうしたの, じっと見つめて……?」

 

다이아「……ちょっと, 失礼しますわ」

 

 

치카양の髪に手を伸ばす。

 

 

치카「……?!///」

 

 

そのまま髪を撫でたり, 梳いたりしてみる。

 

 

치카「は……/// え……/// え……?!///」

 

다이아「……やはり, サラサラですわね」

 

치카「ふぇ……?!/// ぁ……/// ぅ……///」

 

다이아「昨日からずっと気になっていたのですが……」

 

치카「き, 気になってたの?!///」

 

다이아「……髪の状態も, 肌の状態も……不自然なほどに良すぎる……」

 

치카「……へ?」

 

 

これは代謝がどうと言うか……。

 

根本的に美しい状態が維持されているような気がしてならない。

 

 

다이아「흡혈귀は容姿が美しいのも特徴とされていると요시코さんは言っていましたわ。흡혈귀化の影響で, 치카양の肌や髪のコンディションも最高に保たれているということなのかもしれませんわ」

 

치카「…………」

 

다이아「肌がすべすべになったと言っていましたし……치카양, 他に何か心当たりはありませんか?」

 

치카「…………知らない」

 

 

치카양がぷいっと顔を背ける。

 

 

다이아「もし, 少しでも気になることがあったら教えてくださると……」

 

치카「自分で見ればいいじゃん, 目の前にいるんだから」

 

다이아「え……いや……その……?」

 

 

何故か急に치카양がそっけなくなった気が……?

 

 

다이아「……主観的な部分でしかわからないこともあるかもしれませんし……」

 

치카「……かもね」

 

다이아「치카양……?」

 

치카「……お風呂, 出る」

 

다이아「え, ま, まだ入ったばかりではないですか……?」

 

치카「チカの身体, 綺麗に保たれてるんでしょ? なら, いいじゃん。どっちにしろ, シャワー使ったり身体流したり出来ないから, シャンプーとか, コンディショナーとかしなくても綺麗なら, ちょうどいいね」

 

다이아「ち, 치카양……?」

 

치카「다이아さんはごゆっくりどうぞ」

 

다이아「え, ち, ちょっと待ってください!!」

 

 

気のせいかと思いましたが, どう考えても今の치카양の態度は, 明らかに不機嫌です。

 

 

다이아「わ, わたくし, もしかして何か気に障ることを……」

 

치카「……知らない」

 

다이아「ま, 待って……! わたくしも一緒に出ますから……!」

 

 

焦って湯船から出ようとして,

 

 

치카「다이아さんは髪も身体洗わないとダメじゃない?」

 

다이아「……!」

 

 

言われて気付く。

 

 

다이아「ご, ごめんなさい……わたくし, そのようなつもりで言ったわけでは……」

 

치카「…………」

 

다이아「……日中の時間帯から흡혈귀扱いされては……気分が悪いですわよね……すみません」

 

 

わたくしが, 謝罪をすると,

 

 

치카「…………そういうことじゃないもん」

 

 

치카양は小さな声でそう返す。

 

 

다이아「……え?」

 

치카「……다이아さんのおたんこなす!」

 

다이아「え……え?」

 

치카「にぶちん! とーへんぼく! もう, 知らない!」

 

다이아「ち, ちょっと待って……」

 

 

わたくしの制止も虚しく。치카양は浴室から出て行ってしまいました。

 

 

다이아「…………?」

 

 

彼女を怒らせてしまった理由がわからず, 呆けてしまう。

 

 

다이아「おたんこなすですか……」

 

 

久しぶりに聞きましたわね……あのような幼稚な悪口。

 

 

다이아「……とりあえず, お風呂から出たら謝りましょう……」

 

 

わたくしは치카양に言われたとおり, とりあえず身体を洗うことに致しました。

 

……それにしても, どうして急に怒り出したのでしょうか……?

 

何度も理由を頭の中で考えていましたが, 結局答えが出ることはありませんでした。

 

 

 

 

 

* * *

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