* * *
お風呂からあがると, 치카양はわたくしの部屋で髪を乾かしながら待っていました。
다이아「えっと……치카양」
치카「다이아さん」
다이아「は, はい」
何故か妙な迫力があって, 思わず背筋が伸びる。
치카「そこ座って」
다이아「は, はい……」
치카양が自分のすぐ横を指し示すので, 言われたとおりそこに腰を降ろす──と,
치카「乾かすよ」
おもむろにわたくしの髪をドライヤーで乾かし始める。
다이아「え……? い, いや, 自分で出来ますから……」
치카「チカの髪は触っておいて, 自分の髪は触らせてくれないの?」
다이아「?! え, ええっと……?」
치카「それに, 私の髪, 短いからもう乾いたし」
다이아「は, はあ……」
……とりあえず, ここは言うことを聞いた方が良さそうだと思い, 大人しく髪を乾かしてもらうことにしました。
다이아「…………あの, 치카양」
치카「何?」
다이아「……怒ってますか……?」
치카「……怒ってるかも」
다이아「……えっと……理由を聞いたら……更に怒りますか?」
치카「……理由がわかってないことをすでに怒ってるし, 聞かれても教えたくない」
다이아「そ, その……ごめんなさい……」
치카「……もう, いい……チカも悪いから」
다이아「……え?」
치카「期待しちゃったみたい」
다이아「……期待……?」
치카「……なんでもない, 今のは忘れて欲しいかな」
다이아「……は, はい」
なんだか, わかりませんが……。一応, 解決……したのでしょうか……?
치카「……다이아さんの髪, 完全なストレートだね……羨ましい」
다이아「……치카양の髪も癖は少ない方ではないですか?」
치카「うーん, ちょっと内巻き気味だけど……まあ, 曜ちゃんほど癖っ毛ではないかな。でも, ここまでストレートなのは女の子なら皆羨ましいんじゃないかな」
다이아「そうでしょうか……。日本人形みたいではないですか?」
치카「다이아さん髪の毛真っ黒だもんね……でも, 私は綺麗だなーって思うよ」
다이아「あ, ありがとうございます……」
さっきと打って変わって褒められる。
치카「카난ちゃんも마리ちゃんも言ってたよ? 다이아さんの髪はお手本みたいな黒髪ストレートロングで羨ましいって」
다이아「마리さんは色もですが, わたくしとは真逆の髪質ですからね……카난さんもストレートですけれど……」
치카「海水で傷みやすくて, 手入れが大変ってよく言ってるよね」
다이아「ですわね。……でも, わたくしもたまにパーマをかけること, ありますのよ?」
치카「そうなの?」
다이아「ええ。少しウェーブがかかっているのも好きですので。……ただ, すぐストレートに戻ってしまうのですけれど」
치카「女の子のヘアスタイルって生まれつきの髪質との戦いなところあるよね……曜ちゃんなんかもう割り切っちゃってるけど, 子供の頃は癖っ毛いやだーってよく言ってたし」
다이아「曜さんも大変そうですわよね……水泳の選手は特に」
치카「消毒の塩素で色とか抜けちゃうんだっけ? 言われてみれば, 昔はもうちょっと黒っぽかった気もしなくはない……」
何気ない世間話。……と言うか, ガールズトークでしょうか?
よかった……。本当にもう怒ってはいないみたいです。
二人でぼんやりと会話をしていると, 程なくして,
치카「うん, そろそろ大丈夫かな」
다이아「ええ, ありがとうございます。치카양」
髪を乾かし終わる。
다이아「それでは, 身支度をして, 出かけましょうか」
치카「うん」
春物の上着を手に取る。
その際──ポケットから, 何かが落ちる。
다이아「きゃぁ!?!」
驚いて咄嗟に声をあげてしまった。
치카「え, なに? どしたの──わぁぁあぁぁ!!?!」
치카양が落ちたソレを見て, わたくし以上に大きく飛び退いた。
──ソレは요시코さんから貰った로자리오でした。
치카「び, び, び, びっくりしたぁ……!!」
다이아「ご, ごめんなさい……うっかりしていました」
わたくしは로자리오を拾ってポケットにしまう。
そういえば, 昨日出かけたときにポケットに入れたままでしたわ。
치카「う, うぅん……大丈夫。それじゃ, いこっか」
다이아「そうですわね……」
二人揃って, 部屋を出て行く。
玄関まで行き, 二人で靴を履いている最中, ふと疑問に思う。
──……どうして, わたくし……로자리오を見て, 声をあげるほど驚いたのかしら……?
* * *
치카「……着いた!」
沼津に到着したのは16時前でした。
日没まではもう2時間くらいしかないので, 本当に長居は出来そうにありませんが……。
ただ, 本当に今日はいい塩梅の曇り空のお陰で, 外を出歩いていても, 치카양の顔色が大分良い。やはり連れ出して正解でしたわね。
치카「それで, どこにいくの?」
다이아「今晩作るご飯の買い物をしようと思いまして」
치카「おお! なるほど! 何作るの?」
다이아「何がいいですか?」
치카「んー……んー……おいしいもの」
다이아「ふふ, そうね。わたくしもおいしいものが良いですわ」
치카「わ, 笑わないでよぉ! 考えてなかったんだもん……えっと, そうだなぁ…………カレーとか?」
다이아「カレーですか……いいですわね。となると具材は……」
치카「ニンジンは冷蔵庫にあったよね」
다이아「ええ, あとは馬鈴薯かしら……」
치카「ばれーしょ?」
다이아「あ, えっと……じゃがいものことですわ」
치카「ばれーしょって言うじゃがいも?」
다이아「じゃがいものことを馬鈴薯と言うのですわよ」
치카「……??」
二人でそんな話をしながら, スーパーに入ろうとしたとき──
치카「…………」
치카양がピタリと止まる。
다이아「? 치카양?」
치카양の顔を見ると, 真っ青になっていた。
다이아「ち, 치카양?! どうしたのですか?!」
치카「ダ, 다이아さん……た, たぶんチカ, これより先に進めない……」
다이아「ど, どういうことですか……?」
치카「わ, わかんないけど……この先に行くのは命の危険がある気がする……」
다이아「…………あ」
……しまった。この規模のスーパーだったら, この時期でも確実に置いてある。
다이아「大蒜……」
大蒜のニオイに異常に敏感なのはもう目にしている。
スーパーに入るのは無理そうですわね……。
다이아「他を当たりましょうか……」
치카「う, うん……でも, どこで買えば……」
다이아「そうですわね……カレールーはコンビニで買えばいいとして……。馬鈴薯──じゃがいもは個人商店で買いましょう」
치카「あ, 八百屋さんならニンニクは置いてない……のかな?」
다이아「大蒜は今は旬ではないので……国産に拘っているお店もあるでしょうし, そういう場所なら大丈夫だと思いますわ」
二人で踵を返して, 駅前ロータリーに戻ってくると──
「あれ? お姉ちゃん……と치카ちゃん?」
「ん? 치카ちゃんと, 다이아さん?」
聞き覚えのある声がする。
声のする方を見ると,
다이아「루비……하나마루さんも」
루비「わ, 偶然だね!」
하나마루「二人ともこんにちは。치카ちゃん, 体調は大丈夫?」
치카「あ, うん, だいぶよくなったよ」
하나마루「それはよかったずら」
루비と하나마루さんでした。
そんな中, 하나마루さんが近付いてきて, こそこそと話しかけてくる。
하나마루「다이아さん……彼氏さんは説得できたずら?」
一瞬何のことかと思いましたが, そういえばそういう話になっているのでしたっけ……。
다이아「え, ええ, まあ……お陰様で」
하나마루「そっか, 力になれて何よりずら」
하나마루さんは腕を組んで得意気に頷いている。
まあ……参考になったのは確かなので, いいでしょう。……たぶん。
치카「? どうしたの?」
다이아「いえ, なんでもありませんわ」
하나마루「처녀の秘密ずら」
치카「……?」
そう言いながら, 하나마루さんの視線が首筋の絆創膏に注がれている気がするのですが……。
まあ, 하나마루さんならわざわざ言いふらしたりはしないでしょう……。
루비「二人はお買い物?」
다이아「ええ, 치카양と一緒に夕食を作ろうと思って」
하나마루「ずら? 二人ってそんなに仲良かったの?」
하나마루さんが首を傾げながら, 루비に訊ねる。
다이아「少し, Aqoursの活動について相談を受けていまして……ゆっくり二人で食事をしながら, 考えましょうということになりまして」
치카「……? …………あ, うん, そうそう! そうなんだよね!」
치카양は最初なんの話かわかっていない様子でしたが, なんとか途中で気付いてくれたようですわ。
ちなみに……ギリギリ嘘はついていませんわ。
루비「치카ちゃん, 悩み事……?」
치카「あ, うん……まあ, ちょっと」
하나마루「루비ちゃん, きっとあんまり詮索しない方がいいよ。わざわざ다이아さんに相談してるくらいだから, きっと言い辛いことなんだよ」
루비「あ, そっか……ごめんね」
치카「う, うぅん, 気にしないで」
다이아「それより, 貴方達は何をしにここまで? 요시코さんは一緒ではないのですか?」
会話が続くとボロが出かねないので, 話題を切り替える。
루비「あ, うん……それがね」
하나마루「황금연휴特別はいしん? とやらで追い出されたずら」
다이아「配信……ですか?」
치카「あ, 요시코ちゃんがよくやってる, 生配信?」
루비「うん……1時間くらいだからって言われて」
하나마루「そういうことならって, 二人で買い物に来たずら」
다이아「まあ, 3日もお世話になるわけですからね……そういうこともあるでしょう。루비, 迷惑は掛けていませんか?」
루비「うん! 大丈夫だよ! むしろ, 요시코ちゃんのお母さんに『루비ちゃんは育ちが良いのね』って褒められちゃった!」
다이아「そう, それなら安心ね……」
妹がよそ様で変なことをしていないかと言うのはいつも不安ではありますが, どうやら問題ないようですわね。
루비「それにね! 요시코ちゃんちってすごくって, お風呂がハーブ湯になってるんだって! すっごい良い匂いだし, オシャレだし, びっくりしちゃった!」
치카「ハーブ湯……! さすが요시코ちゃん……オシャレ……」
하나마루「……オシャレというか……いつもの타천사の延長ずら。なんかハーブは聖なる力を中和してくれるからとかなんとか, わけのわからないことを言ってたずら……」
다이아「요시코さんは相変わらずのようですわね……」
その知識に昨日頼らせてもらったばかりなので, その拘りは全く否定出来ませんが……。
치카「……と, 言うかせっかくなら二人も一緒に配信に出ちゃえばいいのに」
루비「え?」
치카「前, 타천사スクールアイドルのときに요시코ちゃんの配信にちょこっと出たことあったでしょ? 루비ちゃん人気あったし……意外と視聴者の人も喜んでくれるんじゃないかな」
하나마루「言われてみればそうかも……3人ではいしん……」
루비「……ちょっと楽しそうかも」
하나마루「……루비ちゃん! 急いで요시코ちゃんちに戻るずら!」
루비「うん!」
二人は顔を見合わせ頷いて, 踵を返して走り出す。
다이아「あ! 二人とも! 走ったら転びますわよ!」
루비「気をつける~!」
하나마루「치카ちゃん! 다이아さん! また練習で~!」
다이아「……もう」
慌しい妹たちを見て, 思わず肩を竦めてしまう。
まあ, 元気なのはいいことなのですが……。
치카「練習……そっか, 月曜からやるって話だったっけ」
다이아「……そういえば, そうでしたわね」
황금연휴は最初の土日は完全オフにしようとは決めていましたが, それ以外の日は練習をしようという話をしていたことを思い出す。
치카「…………明日, 曇って欲しいな……」
다이아「…………」
いつも快晴を望み, 明るく真っ直ぐな, 彼女らしからぬ願いに, 胸が痛む。
치카「…………どうして, こうなっちゃったんだろう」
다이아「치카양……」
치카「…………そのうちAqoursで居られなくなっちゃうのかな……」
다이아「…………」
悲しげな顔でそう言う, 치카양の顔を見ているのが辛くて,
다이아「치카양」
わたくしは치카양の手を取った。
치카「え……ぁ……다이아さん……?」
다이아「まだ, 買い物は始まっていませんわよ? 行きましょう?」
치카「……えへへ, うん」
少しでも笑っていて欲しいと想って, 願って, 彼女の手を引き, 歩き出す。
その想いからか, 手をきゅっと握ると,
치카「…………」
치카양は無言で握り返してくる。
今は……今はわたくしが치카양を支えるのです。
そして, 彼女をまた, 笑顔で居られる世界に戻してあげる必要がある。
……치카양の笑顔にはそれだけの価値がある。そう想うから。
* * *
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