마녀와 강아지의 왈츠4-2

――ところわって, 港町中心部位置するギルド本部

書類がうずまれた執務机かって, ギルドの帳簿ペンでさらさらとけていた一人のエルフが, そのめたエルフのしであるった, 気高さと厳格さを同居させた美麗顔立。『AZALEA副団長ダイヤだ

ダイヤは自分かを確認するみたいに, しばしそれから, しくさせる

本棚, 古書整理をしていた有翼族少女, その不穏気配って, 背中純白をぴくりとじろぎさせる。「……ダイヤさん?

ダイヤはことりとペンを,

 

「……花丸さん, 果南さんをすぐしてください

 

, 東洋弦楽器のような, ぴんとった声音, 有翼族少女指示した

 

果南ちゃんを?

ええ, 緊急事態です

 

AZALEA書記長である花丸, ダイヤのまったやら剣呑なくとも, サボり団長説教するため, といった些事たる理由そうとしているわけではなさそうであった

花丸はしばしえた, わかったずら執務机から手頃藁半紙って, そこにギルド本部至急戻ってくるようにという果南宛てにしかしこれだけではサボり果南素直ってくるとはえないんだ, ギルドシギルに朱肉けて, 文末押印するギルドの印章いるのは, 重要書類のみであるから, これで火急であることはわるだろう

出来上がったメッセ-ジを片手, 花丸自分ばして, 羽根その羽根口許づけて, 吐息けるように,

 

「《伝書鳩, どうかえて》」

 

古代語詠唱すると, さな羽根まれ, きた白鳩姿える。「クルッ, クルッてる白鳩にメモをびつけ, けてたせた

 

 

 

 

 

「――まったくさもう

 

どうやら, 本部から程近いところを出歩いていたらしく, 果南伝書鳩ってってきたのは, それからわずか三分ほどであった

ギルドの印章押印された人差中指んで, ひらひらとしながら, わざわざすようなことでも, こったわけ?とダイヤにけていかける

果南ってくるまでの, 事務作業中断させて, 執務室から海辺町並みをフクロウのように警戒心眼差しで見下ろしていたダイヤはったその顔立ちは団長帰宅してなお, むことなくめられている

 

「……果南さん, なことはありませんでしたか

 

出迎えの挨拶もなく, 自分質問をさらりと素通りされた, された果南口端にねじげる

 

なこと?

はい名目上とは, パトロ-ルしてらしてたんでしょう?

 

果南腕組みへとポ-ズをえると, がちゃ, 々しい紫色執務室天井へとやって, いくらか思考らせながらえる

 

-, まあいてうなら, なんかブラザ-二人しそうにごっこしてたけど

 

ダイヤはれるようにめたあのお二方しげなのはいつものことでしょう……, いて, そうではなくて否定してける

 

騒動ですかの悲鳴かしらの破壊音といった

「……なんだか物騒だけど, そういった騒動はなかったね

そうですかでは, まだ大事にはっていないようですわね……」

 

ダイヤは顎先指先をやって, のようにえないことに, 果南をぐいっとせて, わかりやすくめっった部屋見守るように直立していた花丸, 代理説明めるようにけるしかし, 果南視線けられた花丸, さくって, 自分説明けていないことをした果南をすくめ, 視線花丸からダイヤへとして, 

 

ねえ, ダイヤいい加減, があったのか, えてほしいんだけど

 

脳内でセッティングされたチェスの盤面戦略幾千もシミュレ-トするかのように, 翡翠くしていたダイヤは, 団長命令けて, ようやくげるすっと窓際から一歩離れて, 果南づく胸元わせるような腕組みをして, やおらいた

 

「……港町内にて, 不特定魔力放出検知しました

 

ダイヤの言葉果南花丸, 「…………」先程とは意味合いで見合わせた

この世界では魔力するもの, 言葉えれば魔法えるものは特定種族のみにられている魔力たない筆頭例えば, 人族獣族魔力筆頭例えば, エルフ魔族げられる。『AZALEAでは, エルフのダイヤと有翼族花丸魔法うことができるが, 果南えない

また魔力有無種族によって左右されるように, 特定種族いる魔法にはその種族特色魔力ダイヤが魔力感知, 結界構築といった防衛系魔法得意として, 花丸回復, ステ-タス強化といった支援系魔法得意とするように, 種族によって使用できる魔法種類差異があるのだそのため, ダイヤのように魔力感知得手とするものであれば, 放出された魔力感知するだけで, それがいかなる種族魔力のものかわかるのである

それを理解している果南花丸はダイヤがにした不特定という表現, 意識けざるをなかった

貿易んなであるがゆえに, このでは々な種族そのには当然魔力する種族まれているこの港町治安役目, 常時魔力感知警戒網っているダイヤは, ほとんどての種族魔力特徴把握しているとってもよいそのダイヤが不特定べたのだイレギュラ-なことにはいないこの時点果南花丸二人予感発動させる

種族内でも多様魔力性質, 魔力特色特定できないものとえば――

 

まさか, 魔物ずら……?

 

花丸がおそるおそるといったようにダイヤはろし, そのしいれないほどにかな所作

 

いいえ, います

 

ダイヤの返事, 花丸はあからさまにほっとしたようなをするしかし, ダイヤはしい表情, その花丸安堵おそらく魔物よりも厄介なものですとさらに否定してしまう

 

魔物より厄介って……」

 

果南空虚ダイヤはこつこつと足音てて執務机からてくる

 

わたくしが検知した魔力, 感知しづらいようにノイズめいたものがかっていました巧妙ですわ知恵のある魔物でもこのような芸当出来ないでしょう

 

ダイヤがてるかな足音執務室, 果南たちの緊張感自然まっていく

 

おかげで, 一度目魔力放出ではのせいかともってしまいました。……ですが, 二度目確信しました

 

部屋中央った果南ぎたダイヤは, 手前でくるりとその姿っていた花丸, いで果南翡翠見返, 強固城門のように々しさのある

 

ノイズでされた魔力はわずかな片鱗ばかりしかじることしか出来ませんでしたが, それでもまでわたくしがじてきた, いかなる種族魔力ともなっていました

 

あれはおそらく, とダイヤは

 

 

「――『魔女ですわ

 

 

ダイヤの必要最低限声量, しかし執務室外大きくこえたがなかったからだろうしん, としたけさが支配する

果南自分いているのを自覚したんで, らそうとするが, まるような感覚しかない舌根駆使して, なんとか言葉する

 

「『魔女? 冗談でしょう?

 

冗談であることをうような果南いかけに, ダイヤは返答わりにった果南右腕以上存在として信頼副団長, そのようなポ-ズをられて, 本当魔女がこの港町にやってきたという事実けとめざるをない

げた団長, 副団長とを交互やっていた花丸, あの……」とおずおずとさくげる

 

「『魔女』……ってなんずら?

 

遠慮がちにされた質問えたのはダイヤだったああ, さくいて,

 

「……花丸さんはまだこのにやっててからいから, じありませんでしたか。〝그녀〟は港町くからわる伝承つですわ

 

そうって, 港町どもかせるための神秘ろしい魔女〟の伝承んで神話奇譚といった物語いた古書大好物である花丸, ダイヤがった伝承なからぬ興味かれたようで, かにかせたが, はそんな呑気場合ではないダイヤが咳払いをして, 花丸てて背中をぴんとした

 

まあつまり, 魔女とは, この港町において, そのように認知される存在です

でも, ここ百年ばかりはずっともなかったのに一体どうして……」

 

果南くようにそれにしてダイヤはえた, あるいは

 

この静寂百年雌伏であったという可能性

 

果南花丸はダイヤの言葉けて, それぞれにしばし沈黙したそのにはっとしたように果南ねえってげる

 

ダイヤ, 二回魔力放出感知したってったよねということは, すでに二回魔女がこの港町内魔法使用したってこと?

そうなりますわね被害がなければいいのですけれど

 

自分かりらないところで, 魔女魔法被害けた港町住民がいるかもしれないそれを認識した途端, 果南AZALEA団長としての気概がかっとがる魔法でできたのようにらめくそこにはすでに, 数刻前までのんびりと散策していたサボり魔団長姿消滅していた

 

「――ダイヤ

 

果南海底んだのように硬質ダイヤは変容した果南つめ, なんでしょうえる

 

「『魔女居場所特定できる?

 

ダイヤは一拍置いてから, 顎先をつんとらして, ったようにやかな黒髪右手

 

わたくしをだとっていますの? 手間かりますが, やれないことはありませんわ

 

一見高慢, しかしもしい返事をしてくれたエルフの副団長, 果南きをそれから視線して, 花丸

 

マルマルはのために伝書鳩近隣駐在兵って, 応援要請それからダイヤが魔女居場所特定次第, 周囲住民避難させる役目みたいいいね?

 

団長からえられた指示, 花丸はこくこくっといてせる果南指示わったところで, ダイヤが

 

「『魔女つけるのはよろしいですが, こちらはどのように対処しますか, 果南さん

そんなのまってる

 

果南無意識をやった女王陛下よりった宝刀, しく真価発揮できる盤面さぶられてまされたように, 光沢のあるがきらりと反射する

 

「――この港町るのが, たちの役目だよ

 

 

 

 

 

리코からまれた品物首尾よく購入できた요우たちは, はもう帰還することのみをミッションにして, りをいていた요우がみかんつと林檎二, 치카牛乳瓶二つを, 両手でだっこするようにえながら, 機嫌ずさむ

 

-もたろさん, ももたろさん につけたキビダンゴ-, ひとつわたしにくださいなあ♪」

-りましょお, やりましょお これからオニのせ-ばつに-, ついてくならやりましょお♪」

-きましょお, いきましょお あなたについてどこまでも-, けらいになっていきましょお

 

一番歌詞までわって, 치카がちょんとのてっぺんにえたアホとともにげる

 

-, -ちゃんキビダンゴってかなあ

おだんごだから, おかしじゃないのかな?

みかんより美味しいのかなあ

 

치카いに요우べたことないから, わかんないめにする

 

でも, 리코쨩ってくれるおかしの美味しいと!

리코쨩のおかし!

 

리코ってくれたさくさく生地のアップルクリ-ムパイや, ほろほろとどけのしいバタ-クッキ-したのか, 치카かせる

 

にかえったら, おつかいのごほ-びにおかしっててくれるかなあ

しみだねえ~

 

-, 二人っていると, 頭上からぱたぱたと羽音がする요우がそのにつられて, 見上げると, 数羽何処かへんでいくところだった

 

-, 花丸ちゃんのハトさんたちだ-

 

요우視線った치카しながら, げる

 

ハナマルちゃん?

 

めて名前, 요우

 

, -ちゃんはったことないんだっけ? ええとね, あぜりあっていうギルドのでね, 背中にまっしろなおがあるの

?

うん, 花丸ちゃんみたいなしゅぞく?, きしょ-?でこのでもなかなかないんだって

 

背中があるという情報, 요우意識連想部分刺激され, まぐれな頻度自分れる리코友人, 요하네

요우物心つくからにいて, もう一人保護者ともってもいい그녀, 空気したような漆黒っていたややかそうな그녀, しかしればとってもらかくてかい요우尻尾じく, 身体でも敏感部位らしく, 요하네にはちょっとくすぐったいっ, ぺたぺたるんじゃないのっられてしまったこともあるが, 요우くぅん……」とからすと, くっと, ああ, もう勝手にしなさい!ってくれたそんな経緯もある요하네, 리코いで, 요우のおりだ요하네背中いて, かなまれながらすやすやとるのが요우きだった

そこでふと, そういえば, 요우れるこの港町でも, 요하네리코じにおいをつものはいなかった

 

あぜりあにはね, あとね, ダイヤさんっていう, るとちょっとこわいもいて, そのはエルフでね-, あとあと-, さっきった果南ちゃんはね-, 全然そんなふうにえないけど, あぜりあで一番えらいなんだけどね-, しゅぞくはね-

 

치카部分きながら, 요우はそのことについてえてみるでもまだまだ容量さなでよくわからないそもそもしゅぞくという概念요우はよくわかっていないのだ結局, 요우리코리코, 요하네요하네という簡潔でそれでいてるぎない結論

요우がそのようなどもだからこその純粋えにったところへ, がしゃがしゃがしゃっ, たくそれでいて素早こえる

 

치카!

 

さのある치카名前んだのは, 果南だった。「果南ちゃん?先刻別れたばかりの相手遭遇したことに, をまあるくした치카, 果南がききっとめる右手長剣てたまま, しい啖呵った

 

치카, それから요우쨩! 二人ともすぐって! ったら, 今日一日絶対ないこと, 志満さんたちにもそうえて!

 

必要最低限のことだけを, 周囲いていた港町住民にもあなたたちも!怒声のようにげかけてから, 装備しているとはえないほどに驚異的なスピ-ドでりをけていった

真紅のマントが水平にたなびきながら, みるみるうちにざかるのを, 치카요우っておめをぱちぱちさせてていると, 今度羽音ってきた

数枚美しくらし, ふわりと二人頭上かられたのは, 栗色った少女。「……しょ, 着地すると, 요우たちの背中があることを, 요우그녀ハナマルちゃんらしいとてとる

 

花丸ちゃん, 果南ちゃんど-したの?

 

치카かられた花丸いかけるれているとは, 明快奔放果南치카にとって, 友達のような存在そんな果南がいつになくしいをしていたことに, 치카はなんとなくいつもと気配っていた花丸はそんな치카心境らすように, にこっとみをってえる

 

なんでもないよ, ちょっとしたお仕事だから, 치카쨩たちは果南ちゃんのりおるずらマルが途中までっていってあげるからね

おしごとってなあに? ネコちゃん-?

 

치카無邪気好奇心発揮させる。「, ええと花丸んでいる, 요우그녀全身めてみた

服装純白のキトン革製のボ-ンサンダルかけたでも, この港町定住しているらしいはシャツにズボンというちがかったため, 그녀服装にはどこか異国いのような印象ける首元にはアクセサリ-, あるいはかのまじないがかったおりなのか, 灰色羽根してげていた

その首飾りを요우, ふとして, 自分胸元がいく리코魔法仕立ててくれた麻布でできた水色衣服右胸部分のアップリケがつけられているが, それ以外もないぺたぺたと首元ってみる, やはりもない

 

「…………ちかちゃん

 

なあに, なあに, おしごとってなあに, なあに連発させて花丸にさせていた치카, 요우のかづく?小首げると, 요우はくしゃりと一歩手前までめてった

 

「……りこちゃんのおまもりがない

!

おとしちゃった, かも

 

じわじわと요우んでくる。「絶対くしちゃダメ리코からわれていたのに리코との約束ってしまったといういにられて, 요우尻尾がきゅうっとまる

 

たいへんだよ! りにもどらないと!

 

うがいが, 치카果南たちの忠告, 요우いて, ろうとするだが, ダッシュをめようとした치카のおでこが, 途端べっち-!派手とおさまのエフェクトをして, かと衝突する

 

ふなぬっ!?

 

形容しづらいして, 牛乳瓶ったまま, あわやれそうになったところをわわっ花丸める

 

, なあにこえ……?

 

おでこをうっすらとくさせた치카りをそこには変哲もないりがいている……いや, よくよくらせば, たって反射する半透明のエメラルドののようなものがいつのにやら存在していた

 

ダイヤさんの結界だよ

けっかい?

 

アクセントの位置しずれたオウムしに, 花丸

 

ここからはもうっちゃだめだよ-ってせんぼしてくれてるのてのとおりろうとっても, れるものじゃないからね

 

, わかったら, こう?花丸, 치카はきょとんとした

 

れないの?

れないの, ずら

どうして?

どうしても, ずら

でも, 요우쨩れたみたいだよ?

「……えっ?

 

치카がそのさな人差けたえば, 結界けて, すでに二十-トルほどまでってしまった요우姿えた。「ずらあっ!?花丸頓狂げるてていかけようとしたが, 치카となって, ごっち-!結界まれてしまうかにけた鼻柱さえながら, , マルもダイヤさんの上位結界にはれないんだった……」涙目になってよろめく

指定された面積半球状閉鎖するダイヤの結界, 術者任意れた人物, あるいはこの結界かれないほど魔法耐性人物しか侵入できないその意味えば, この結界では魔力わせた魔女めることはできないが, ダイヤがこの結界したのは, 魔女めるためではなく, むしろ港町住民づけさせないようにするためだ住民ませない意図された結界であるから, 無論ダイヤが요우結界内ることを許可したなどということは, つもありない

では, どういうことか瞬間, 思考跳躍させようとした花丸だったが, いや, はそのような状況ではない, 

 

, とりあえず, , ダイヤさんに連絡!

 

花丸はテンパった様子自分羽根をむしりって, 魔法伝書鳩。「いずら!連絡役そうとした花丸, をまとってまれた白鳩結界, 「……クルック-なげなてる白鳩主人たる花丸だけをらせるそのわっしもこのにはれませんねんえてくるようである

, ずらあああああ, という花丸人払いされた港町りにいた

 

 

 

 

 

しゃらん, きとおった

 

「《ゆくれはえずして, しかも, もとのにはあらず》」

 

港町時計台, のエルフは

 

「《よどみにかぶうたかたは, かつえかつびて, しくとどまりたるためしもなし》」

 

には七宝つなぎ, 紅色こすのではなく, 粒子をそっとそっとすようにわれるがぴたりと静止する, しゃらん, 

 

「《にあるのすみかと, またかくのごとし》」

 

毅然とした声音けて, エメラルドの結界頂点からきが波打上位結界維持しながら, ダイヤはそっと片目けて, 時計台真下見下ろすそこにはしがた到着したばかりの果南がいる果南時計台けて, 正面見据えていた그녀視線にはいマントにんだ不可思議雰囲気わせる存在がいる果南相手出方るようにじっと凝視するのにして, マントは自分むものたちなど意識にもかけていないように, めて, かをげていた精巧木彫りの細工がされたさな木片らしいだが, 遠目には詳細はわからない)。マントがそれをにしまい, かにちあがったところを見計らって, 果南

 

「――『魔女』」

 

ばれても, 魔女じろぎつしないその無反応観察しながら, 果南はすぅ――っとから, 長剣抜刀するのような刀身, その刃先魔女ける

 

この港町はね, たちのなんだにはここを義務があり, いをなすものは撃退しなくちゃいけないでもならまだ見逃せるって, 魔女』」

 

魔女当然のように返事をしない頭部をすっぽりとうフ-ドの, 隙間れる山椒魚のように沈黙維持する

 

そのだんまりは拒否ってこと?

「…………」

でも返事をするつもりはないんだねだったら

 

果南一度眼じる見開かれた, そこにあるのはのごとき眼差しだった

 

づくで――すッ!

 

ダッ, 地面空気もろとも一振りで魔女えるシュパッ, 斬撃だがそのミリほどマントのっただけで, 瞬間飛びずさったマントの中身してしまう

 

ハァッ!

 

々しい気合とともに, 果南空振りとなった長剣をぐっと, 真空破とも見間違えるようなきへ移行する。『魔女はそれもたった一歩のステップでける体重移動についていけず, にふわりとったマントにきが命中するっぽのごたえ果南はマントにしたまま, びっ, というがして, 生地かれるマントののジョッキ--ツがしかし, それも一瞬, かれたマントは不可視ったように, あっという修復される詠唱なしでの魔法発動, 果南はやはり그녀魔女だと眼光めた

 

「《, べにまるるならひ, ただにぞたりける》」

 

ダイヤの詠唱背中きながら, 果南なる猛攻すべくぶおん, 突風こすようなてて, 長剣。『魔女どいところでくるりと手首して, 左斜めにちっ, とマントのめる

 

「《らず, まれぬる, いづよりたりて, いづへか》」

 

時計台果南猛攻見守るダイヤは, 肉迫はしているものの, あと一歩りないじていた女王直々に褒章えられるほど, 武勇しいがままにした果南めきれないのは, おそらくつの理由からだと, ダイヤは予測てるつは, このいの果南した環境ではないこと花丸支援魔法があれば, 擬似的果南最大限能力発揮できるにして, 果南ステ-タスにバフをけることができるが, 生憎ダイヤの結界では花丸魔法発動できないそして理由それはきっと果南躊躇いをてきれていないからだ

 

んで, この港町たの!? 魔女!

 

流星群のような手数さでもうとするが, 魔女はそれをステップのみで回避する果南, 瞬間強める軌道残像すらたない, 神速一撃ろすこれはけきれないとったのか, 魔女めたあろうことか素手だがそこから鮮血ることはなかったわりにいたのは, ギイィンと金属金属とがぶつかりうようなれば魔女には銀色宿っていた防御魔法果南いしばりながら, 全体重せるが, はミスリルの重厚ぶほどのごたえをしてくる果南奥歯をぎしりとらす

 

「――っせやァッ!

 

るのは無理だと判断した果南, 左拳でがらきの脇腹めがけて正拳もうとする

魔女はその攻撃察知して, 後方-トルも跳躍した重力軽減しているかのようなやかさ広場のボラ-ドの, 見事なバランスで片脚立ちをする

果南がからからにいていたいた距離をすぐにはめず, 体勢えるじゃき, 身体正面える

 

「……どうして反撃してこないの

 

果南がどれほど攻撃しても, 反撃してこない魔女』。それこそが果南剣技のリミッタ-しきれない躊躇いの理由だった魔力しているとはいえ, 視覚的にはほとんど丸腰こちらの攻撃けるばかりで, 一向じないものを相手, 問答無用致命傷わせにくのは, 果南騎士道精神んでいた

 

私相手なんて攻撃することもなくあしらえるっていう? それともみでもあるの?

 

魔女当然ながらえない-ドの素顔依然隠されたままで, そこにどのような表情かべているのかもいきれない

 

「《またらず, 宿, たがためにかまし, によりてかばしむる》」

 

ダイヤはしゃらんとらしながら, 魔女いかける果南左目騎士道忠実果南, AZALEA団長れとえるだが, この, その騎士道んじた直結していると評価しなくてはいけない

相手魔女なのだじりけのない々とした闘気まなければ, いつのひらをして反撃してきた魔女足許をすくわれないともらない

果南もそれはわかっているはずだダイヤの視線, 果南沈黙する魔女けて, 溜息をつき, 苦虫みしめるようなをして, 果南長剣めただが, それはいをめるということを体現する動作ではない

果南って, やや脱力したから, るように背筋える適度きつつ, それでいて身体一本金属のようにくする右足, 左足ろへ左手, 右手視線かなれもなく, った水面のように, 魔女見据える。『魔女完全維持して, きもせないっているのか, あるいはそういながらも, 果南はいやられていたとしてもいい, 矜持などわせてしまえばいい果南役目はこの港町ること, それ以下でもそれ以上でもなく, それだけなのだ

 

一瞬静寂いのその, どんっ, 爆発音のような振動, 果南猛然-トルもれていた距離, 地面水平滑走するような足運びの二歩める姿勢くして, 魔女正面よりはめの位置果南視界間近になったマントがれる。『魔女のフ-ドが不意かれたように, かに時間にしてコンマ身体強張りによってできた, 果南見逃さない最大限時間ばされたような景色, 無音抜刀するダイヤがまれった極東会得した居合術上空旋回していた獲物つけて, 急降下するように, 沈黙ちていた長剣突如としてぎらりと獰猛銀色

致命傷までわせるつもりはないしかし, 治癒のために, めさせるくらいのわせるつもりの気迫, 剣先マントをくっきりとまえる抵抗もなくマントのみがった, 果南

だが, 途中まであったはずのごたえが, あたかも蜃気楼であったかのように, ふっとえる。「!果南しくする対象った長剣, 空気だけをがぴたりと静止して, その0.5秒後れて, ザンッ!

果南めて背後るのと, 粒子をまとって, 魔女具現化するのはほぼ同時だった時計台から俯瞰していたダイヤは, 一連不可解現象移動魔法による回避だとすぐに目星をつけた

果南疾風迅雷っても過言ではない早業すらも, 魔女無詠唱防御魔法, 移動魔法によってがれ, されるああ, やはり, 魔女〟はだと, ダイヤは鳥肌てる

その畏怖果南同様じたのだろう不規則呼吸てて, 長剣をだらりと, しばし棒立ちになるだが, をありったけかきめて, 再燃させるように眼差しをキッ, める

 

はあああッ!

 

虚勢じみた雄叫びをげて, 果南はさらに魔女果南いマントがはためくそれはまるで戦火にもえる

 

せいッ

 

めに。『魔女右足のブ-ツをかっとらして, 後退する

 

はッ

 

真横一閃。『魔女今度左足びかつっ, 残酷なほどに冷静足音果南

 

, やァ――!!

 

果南気合って, 三連続きをだが, 魔女最早魔法使うまでもなく, さらり, さらりとれるのようにけていく果南には苦悶色合いがむようにがるさらに攻撃けていくが, 果南剣筋けばくほど, 無駄大振りとなり, , 速度ちていった

 

「《その, あるじとすみかと, 無常ふさま, いはば朝顔ならず》」

 

ダイヤは危惧えるあまりにも果南攻撃れすぎているあれでは武術心得がないものが相手でも簡単にあしらえてしまえるくらいだいくら魔女相手取っているとは, 平生団長とはかけれたキレをいた剣術, ダイヤはおかしいとった

らせば, 果南, うっすらと紫色になっているのがえた遠目にもひどく息切れしているのがわかる

 

――もしや, 魔女実力たりにして, 気概がれてしまったことだけが原因ではない……?

 

果南がそのような症状こす原因, つだけダイヤは心当たりがあったたらりとがダイヤのしかし, まさか, いや, まさか

 

「……, ぁっ…………!

 

ついに無様ながらもけられていた, 果南攻撃まるがくっとアキレスられてしまったように, 果南をつく握力ったから, からん, いたてて, 長剣ちる

, 果南さん, まさか, こんな……, ダイヤがいたもありえてほしくない예상, しかし, 地面籠手をついて, しげに上下させる果南, った言葉, しかったと裏付けされてしまう

 

 

身体, いて……ない……!!

 

 

――『AZALEA団長, 果南種族, 魚人族腕前王国一ともわれるが, 一定時間水びずにいると, 身動きがまったくれなくなるという最大弱点っていた

 

 

ダイヤはつい詠唱中断させて, 果南さん, でしょうっ!?んでしまうはっとしたにはもう, 維持連続的詠唱必要とする上位結界, 頂点からすうっとけてえていってしまうダイヤは一瞬頭判断らせたが, それよりも団長である詠唱素早べて, 時計台果南魔法けつける

 

なんっで, よりにもよって, こんな! 午後水浴びはどうしたんですかっ!?

至急, ってこいってったのは……ダイヤじゃんかぁ……のせいじゃないぃ……」

おバカなんですのっ? おバカなんですのっ!?

 

こうなった果南はもう五歳児どもよりも役立たずだこのままでは魔女ないまま, やられかねないとりあえず, このからびた団長としてしまわなくてはと, 果南自分にかけて, げようとするが, じて腕力いエルフ細腕ではたい着込んだ果南げることはわず, ぴぎゃっれる

 

, おもっ, いです, !

「……みずぅ……」

「…………」

 

いたカエルのようにへばった果南, それに下敷きにされてばたばたともがくダイヤを, のせいか, -ドのれむような雰囲気って傍観する魔女である

そこには, つい一瞬前までのバトル的空気跡形もなく霧散, 最早ギャグの絵面以外ものでもなくなっていた

 

, そこへぱたぱたと足音介入する

 

「――

 

ダイヤがはっとしてそちらをると, 林檎とみかんをえたさな獣人どもがけてくるいで, 魔女ると, 그녀〟もそちらにづいたようだった-ドのきをダイヤたちかららして, 獣人どもの

いけない, こっちにては――。そう制止しようとしたダイヤだったが, それよりも,

 

「――わぅっ

 

, 獣人どもが小石いて, ぺちゃっとんでしまうえていた林檎とみかんがころころっとがっていくのをついった, 瞬間

 

 

「――요우쨩!!

 

 

いたことのない, んだをダイヤはいた一体, かとかれたダイヤを余所, 魔女がタン, とブ-ツで地面, きく果南対峙していた, 魔法固定されていたかのようにるがなかったフ-ドが, それによってばさりとろへれるダイヤはそのいフ-ドのから, しくやかなワインレッドの長髪たのを, その翡翠をいっそうきく見開いた

やかに獣人どもの着地した魔女, 両膝をついて……,

 

 

ああああああああ, ! けちゃってる! 血出ちゃってる! どどどど, どうしよう! どうしよう! ええっと, ええっと, ああ, そうだ!

 

 

傍目からるこっちが茫然とするくらいの, 動揺っぷりを披露した

ダイヤがぽか-んとしている, 港町れられているはずの魔女, ふいっと, ぽぽぽんとかを出現させるすり, すりこぎ, その他小瓶やら, なんやらかんやら

道端唐突においた魔女はすりこぎ片手, 語気強

 

! 万能薬(エリクサ-)るからね!

 

……エリクサ-, とは

一滴致命傷さえ, 二滴欠損した部位すら修復, 三滴死者をもらせるとわれるほどの, 超絶ウルトラハイパ-希少価値のあるであるその効能ろしいが, さらにろしいのは, その取引価格市場ではまず出回わっていないため, 逸話的代物になってしまっているが, その価格庶民十回人生して生涯賃金をも上回るという

その, 不治った一国暴君, 国財じてエリクサ-ようとし, 結果病ったが, あまりの利己的暴利ったたちに反乱こされ, 結局国んでしまった……などという寓話すらあるくらいだ

するに, たかだかどもの使うものではない, ということである大事なことなので, もう一度繰そうどもの使うようなものでは, じて, ない

 

「……-ちゃん, そんなにいたくないよ?

だめっ, バイさんっちゃってたら, 大変でしょうっ

 

マンドラゴラのやら, 人魚虹鱗やら, 黒竜じれやらギルドに採取依頼たら, 報酬何百万となるような逸品たちを, エリクサ-道端手軽クッキングを開始する魔女』。

ごりごりごりっ!ととてつもないいで, すりにかけられていくマンドラゴラの, きぃやあああぁぁ~~~……」ばした悲鳴のようなものをげるのをきながら, ダイヤはにぺたりとてる

生真面目AZALEA副団長には, 奇怪すぎる光景, どうめればいいのかわからなかった

そんな状態っていると, 「――ダイヤさ-!とばたばたっというしない羽音とともに, 馴染のあるってくるれば, 花丸には치카もいる

とん, とダイヤのくに着地した花丸, ダイヤの身体ききったクラゲのようにった果南, それから, なことをしているらしいマントの人物やって,

 

えっと……どういう状況ずら?

 

, 疑問符けた

そんなのわたくしがきたいですわ, などといながら, ダイヤはとりあえず, この河童をわたくしのからどかして, でもえておいてくれます?

 

, うん

 

魔女しき人物にしつつも, 치카ろして, われたとおりに果南をどかすそれから「《, 》」詠唱, 果南頭上さな雨雲-っとりだした雨粒によって, , -, みずだぁ……」とスポンジがうように, 果南いがっていく

 

あれ, 리코쨩がいるなんでぇ?

 

花丸かられた치카, 魔女ながら, こてんとげたそのって, 花丸どうしてこのどもをれてきたのか叱責しようとしたダイヤはそれを中断させるそれを察知して強張らせていた花丸, ほっと吐息をついた)。

 

「……치카さん

なあに?

あちらの々とおいですか

 

ダイヤがえば, 치카はこれ以上はないくらいの満点笑顔, うんっ

 

-ちゃんと, 리코쨩だよ!

 

先程, 魔女요우쨩!んでいたから, 리코という, 魔女だろうと, ダイヤは推察, さらに質問する

 

そうですかでは, その, 리코さんと요우さんのご関係とはどのようなものでしょう

리코쨩はよ-ちゃんの……-, なんだろさんのようで, さんじゃなくて, 友達とも, ちがくて

 

-っと, 치카, ダイヤはやがて, 치카はちょうど適切言葉つけたとばかりに, アホをぴんとたせる

 

たいせつな! 리코쨩, -ちゃんのたいせつなだよ!

 

치카回答って, ダイヤはそう, ですかかに

치카わせるため, 中腰にしていた姿勢, 魔女一瞥する。「千年聖樹千切りにして, 飴色になるまでめたら, みをすための真珠貝のナミダをさじ一杯加えて……」などとだクッキング그녀, 無防備にこちらにけているなら, あるいは背後からの奇襲成功するかもしれなかっただが, 結局ダイヤは, その背中れを多分んだつきをつくれてやってから, 花丸

 

「……花丸さん, 本部りましょうか

えっ……あの, , いいずら?

 

魔女指差, ちらちらながら花丸, ダイヤはいて, えええる

 

あれは, このいをもたらす魔女ではなく――」

ああっ, 材料りない! どうしよう! ごめんっ, 요우쨩, から邪神鋭爪取りに魔界ってくるね! 大丈夫, 十五分ってくるから!

「――ただの子煩悩阿呆ですわ

 

……うららの青空, 今日今日とて港町平和だった

 

 

 

 

 

じぃ――っと, 腕組みをして, 요우見下ろす악마요하네じぃ~~, んで, 요하네った水色見上げる요우

요하네無言のまま, 요우眼前指先をつとその指先でくるりくるりとさなそのきをって, 요우視線もくるりくるりとやがて, 요우んだまれたように, ぼうっとした色合いになるしかし, それも一瞬, 요우がぷるぷるっ!ると, 綺麗なアクアブル-

 

「……やっぱり

 

요하네さくいた, そこへぬうっと요하네びるがしっとそのまれた요하네, ぎゃっと心臓ねさせる

 

「――욧쨩? がやっぱり? 요우쨩なことしてない?

 

口調普通なのに, 内包する雰囲気はただならぬ声音われてしまえば, 요하네てて弁解するしかない

 

じっ実験! なる実験だから!

「……実験?

 

しげにしつつも, するりとされた, 요하네はどことなく九死一生気分になりながら, しかしそれをられないように, そうよ居丈高って

 

요우たちのどきどきわくわく舞台裏ではえらい波乱万丈であっためてのおつかいから数日後리코たちのれた요하네はそのおつかい冒険譚全容, すでに요우からいていた。「あのねっあのねっ, -ちゃんおつかいってきたんだよっすごいでしょ, ほめてほめてっ尻尾をふりふり, 心底嬉しげに報告してきた요우には, 普段からひねくれぶっている요하네ですら, (……可愛いわね, こいつわずにはいられなかったが, まあそれはさておき

, になったことがいくつかあった요하네になったのが, 요우がエルフの上位結界をすりけられたというくだりだ

基本的魔力的素質のない獣人요우, エルフの上位結界侵入できるなんて, えるまでもなく, おかしいそのために요하네はちょっとした実験として, 요우洗脳魔法使ってみたのである洗脳内容みかんはになるのではなく, じゃがいものように地面まっているなどと適当極まりないものだ)。勿論, 全力洗脳魔法使おうものなら, 요우溺愛しまくっている魔女にどのような折檻をされてしまうかわかったものではないので, あくまでかる-くではあるが, しかしそれをいたとしても, 요우요하네魔法うまでの時間すぎたつまり, 実験結果としては,

 

「……요우, 獣人族としてはありえないくらいに魔法耐性いんだけど

ふうん?

-?

 

요우自分せた리코, 요하네実験報告いて相槌, 리코きかかえられた요우, 리코真似っこをするように

 

いや, これほんと異常なくらいよ魔力的素質だと, 有翼族もかなり上位るけど, 魔法耐性だけでえば, もしかしたら, それ以上……? 一体原因でこんなことになってるのか――」

, 요우쨩林檎さんいたよべる?

たべる-

はい, じゃあ, -

――!

! ・き・な・さ・い・よ!

 

요하네華麗馬耳東風として, 林檎一切まんで, -んしてあげる리코, 真上, おっきくけて, -んしてもらう요우, 요하네最大声量んだ

리코요우をよしよししながら, -でも요하네

 

いよりはがいいんじゃない? 魔法耐性すぎてるってこともないし, 問題ないでしょう?

もんだいな-!

いや, そりゃ問題はないとえばないけど, スフィンクスのえられたら, かないと――」

요우쨩요우쨩だもんね-? 魔法耐性くてもくても요우쨩だもんね-?

-!

 

, だめだこの부모バカ요우うような性質があったとしても, 全肯定してありのままれるつもりだ요하네はそう

みな言葉懐柔してしまうのを得意とするのが악마という種族であるが, しかしそのような種族たる요하네でもはい, 리코쨩もあ-!」「-ありがと, -などと今度立場交代してあ-んごっこをする二人には, めるつけられない

요우異常魔法耐性くなってしまった真相はこのままられるのだろうか……, 요하네内心唸りながらえていると, 리코「……一音した視線げると, 리코かを発見したように요우首元めている

 

ここちょっと, かぶれちゃってるね草木かぶれをこす植物にでもれちゃったかな

 

ちょっとごめんね, , 요우両脇れて, 自分からろすと, 리코戸棚

 

かこの前使したエリクサ-があったはず……」

 

ありえない単語って, 요하네ぶっした

 

エリクサ-!? あんたそんなもの使ってるの!? なるかぶれに!? 百歩譲っても, 治癒魔法事足りるでしょう!

 

かちゃかちゃと戸棚小瓶をいじりながら, -んと리코曖昧らす

 

なんかね, 半年ぐらいまでは治癒魔法もちゃんと使えたんだけど, ここになってからかなあ, なんかくなっちゃって

「……?

 

리코れて手持無沙汰になったらしい요우, 요하네背中ってくるをむんずとんで, よじよじってくるのを看過しながら, 요하네したそれこそ魔法耐性いことの数少ない弊害ではないかといつつ――요하네はふとあることを

 

「……ねえ, ちょっとくけど, 리리って요우魔法使うことって結構ある?

? うんまあ治癒魔法はしょっちゅう使ってたし, 요우쨩れなくてぐずっちゃった, 魔力入りの子守唄ってあげるし, あとよく요우쨩あそんであそんでっってせがむから, 浮遊魔法いもよくしてあげ――」

原因, 리리じゃないっ!

 

요하네はくわっと括目, 리코言葉って, わずんだ大声にびっくりしたのか, 「――ぅわん요하네背中山頂アタックしていた요우がずりちそうになるそれを咄嗟えて, 리코かってまくしてる

 

毎日毎日そんなことされたら, そりゃ魔法耐性もぐんぐんびるわよ! あったりじゃない! そんなこともづかなかったわけ!?

「……えと, なんとな-きづらくなってるなあとはってたけど, てっきりども特有成長期かと

 

요하네登頂した요우, 肩車要領요하네らせるしげにぽんぽんぽんぽんっとシニヨンをお手玉のごとく連打するのを見過ごして, 요하네自分のひらでった盲目ならぬ, 子煩悩盲目最早呆れをして感心してしまうくらいだ

 

つまり, 요우獣人族にしては異常魔法耐性さの真相はこういうことだった

世界でもトップクラスの魔力する魔女たる리코, 日常的魔法使ってもらって, それにより요우魔法耐性しずつびていく魔法きづらくなったなあとじた리코使用する魔力めるその結果, 耐性経験値加速的, いつのまにやら, 요우はエルフの上位結界すらもすりけられるほどに驚異的魔法耐性になりましたとさ, ちゃんちゃん……ということである

 

「……리리ねえ

まあまあ, 理由もわかったし, もういいじゃないほら요우쨩, おいで-

 

리코げられて名前ばれた요우, わんっ返事をする요하네からずりり~りて, ダッシュで리코리코요우きかかえ, 戸棚からしたエリクサ-薬指にてんてんっとして, それを요우ってやる요우首回りをわしょわしょされるのようにめて, 気持さげに尻尾らした

そんなやかな二人様子れば, さらに苦言ねてやろうとしていた요하네, かにめてしまう

……, いいか, 

治癒魔法きにくくなってしまうというデメリットはあれど, それでも리코うとおり, 魔法耐性いよりはいほうがいい魔法耐性異様獣人族なんていたことはないが, 々はきっと驚嘆憧憬感情けても, 畏怖つことはないはずであるいやむしろ, 英雄的カリスマをった存在としてえられるかもしれない――。

, そこまでえた, 요하네唐突요우〟であったことを

忽然まれた場所から姿, 場所忽然とされる, 〟という不可思議現象요우はその現象当事者だった

そのことをめてした요하네いで, 現象にいつもセットとしてられるおがあることも想起するそれは〟が成長, 英雄となって々の伝説すという英雄譚である

요우리코首元, ぐりぐり~自分らかなけて愛情表現をしているのをめながら, 요하네はあるいはもしかしたら……, える

요하네はタイミングを見計らい, 리코けてねえいた

 

요우って, 〟でしょう?

そうだね

 

요우をもぎゅ-っとしながら, 리코える요우がこのから程近湖畔〟としてとされてから早五年当時리코犬嫌いのせいで, だっこもままならなかったのに, しだけかしむいを脳裏めながらも, 요하네言葉けた

 

もしも, もしもだけどさ, いつか요우がおっきくなって, 〟だからだとか, 獣人としてはありえないくらい魔法耐性いからだとか, そんな理由, 周囲から英雄としてげられて, 魔王退治的なものにされるようなことがあっ――」

させないよ?

「…………」

「…………」

 

一刀両断とばかりに, 요하네言葉をぶったってった리코, 요하네んで沈黙してしまう리코柔和微笑んでいる

 

「……いや, させないというか, あくまで可能性――」

そんなないこと, 요우쨩には, させないよ?

 

にっこりと리코をわずかにけて再度言ったっていない琥珀つめられて, 요하네をそわりとかせてしまう端的って, かった

 

, そんなことになったら, わりに魔王しにくから

 

っていることは冗談っぽいのに, だけはどこまでもマジだったいつもながら友人えた過保護っぷりに, うこともれて, あっそ……」요하네小声

英雄保護者過保護発揮させて出張ってくるおなんて, たこともいたこともないにあったとしても, それは最早コメディの

どうやら, この魔女子犬二人々が, もしもかのによって物語としてまとめられたとしても, その物語絶対英雄譚的代物にはならないらしいと, 요하네確信する

리코では, 林檎べておいっぱいになったせいか, 요우がほあ~っと呑気きな欠伸をしていた

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