츠시마 요시코의 부등교의 나날
津島善子の不登校の日々
https://www.pixiv.net/novel/series/839643
「あなた、大丈夫?すごく顔が真っ青だけど」
その先輩が私の事を心配してくれる言葉で私は放心時状態から戻ってきた。
善子「すいません。大丈夫です。ありがとうございました。」
そういって色素の抜けたアッシュ色の髪の先輩に頭を下げると
床に置いた鞄を持ち上げ、ルビィと花丸に向き直る。
善子「ごめん、私梨子さんに会いに行かないと。せっかくテスト勉強に誘ってくれたり、ここまで付き合ってくれて悪いんだけど」
花丸「うん、行って来なよ。それだけ善子ちゃんにとっては大事な友人なんでしょ?」
善子「ええ、今の私にとって誰よりも何よりも大切な人なの。」
花丸「ただ、善子ちゃん。行くにあたってまるたちからひとつだけ聞いておきたいことがあるずら。」
善子「な・・何よ」
花丸「明日もちゃんと来る?」
じとーっとした表情で私の顔を見つめながら花丸が言った。
善子「い・・・一応!」
ルビィ「普通そこは勿論というところなんじゃないかと・・・」
花丸「まぁ、なんというかそういうとこは不登校の善子ちゃんらしいね・・」
そういって苦笑いを浮かべた後、いい事を思いついたらしく花丸がぽんと柏手を打つ。
花丸「そうだ。来なかったら迎えに行くずら。ルビィちゃんと2人で。それがいいずら。ね、ルビィちゃん」
ルビィ「う、うん!」
こいつら・・・とんでもないことを言い出しやがった。
ルビィはどうかは知らないが、ズラ丸は完全にニヤニヤ顔で私を見つめているため絶対に私がしてほしくない事を分かった上でいってやがる。
善子「げ・・・やめなさい。行くから、それだけは絶対にやめなさい!それをやったらとんでもないものが召喚されてしまうわ。世界が滅びるわよ。いいわね!?絶対やってはダメよ。」
せっかくここまで母親にバレずに不登校を続けていたのに、
このズラ丸とルビィが家に来ることで2ヶ月近く不登校を続けていたなんてバレたらシャレにならないわ・・・
そんなやりとりをしているとアッシュ色の髪の先輩が微笑ましそうな表情をしながら私に声をかける。
「ね?これから桜内さんに会いに行くのかな?」
善子「あ、えっと・・はい。その予定です。」
「ならさ。私達も桜内さんが学校に来るのを楽しみにしてるってことを伝えてあげてくれるかな。ね?千歌ちゃん。」
千歌ちゃんと呼ばれた茶髪の先輩がその言葉に大きく頷く。
千歌「うん!このクラス全員待ってるって!一緒に輝ける高校生活を送りたいって!伝えて来て!」
なんだ。この人たち凄く良い人じゃん。やっぱり梨子さんは学校に来ないとダメだ。
善子「ふ、良いでしょう。あなた方のその心遣い感謝するわ。このヨハネがあの愚か者のリトルデーモンリリーに必ず伝えて差し上げるわ」
私がそう宣言をすると先輩2人は呆気にとられたような表情になる。
ルビィ「よ、善子ちゃん おかしくなっちゃった。」
花丸「いーや。これが本来の善子ちゃんずら。今までは擬態してただけ。ほら、さっさといくずら。」
そういって花丸にぐいぐいと背中を押されると
私は全員に頭を下げ、ダッシュで梨子さんの元へと駆け出した。
梨子さんがいる場所はもうわかっている。
不登校を始めてからというものの毎日梨子さんはそこにいた。
ずっとずーっと梨子さんは海岸にいて私を待ってくれていた。
だから今日も
梨子さんはここにいるはずなんだ。
私がいつもの海岸に着くと
やはり梨子さんはいつもと変わらない姿で、海岸を眺めていた。
ずっと走って来たため、息を切らしている私が梨子さんのもとへと近寄ると
梨子「あら、よっちゃん。 予想より早かったわね」
私に気づいた梨子さんが何もなかったのかのような
いつもの優しい調子で私に話しかけて来た。
梨子「その様子だとうまくやれたようね。」
善子「・・・ええ・・案外平気だったわ。」
私は梨子さんの横に腰を落としながら少し唇を尖らせながら梨子さんに返答する。
憮然とした私の態度にも梨子さんは微笑み続けたままだった。
梨子「お友達はできた?」
善子「まーね。少なくとも話をできる人は2人できたわ」
梨子「上出来じゃない。」
善子「ええ、我ながらね。まさかここまで簡単に学校復帰できるとは思ってなかったわ。」
梨子「なら、もうこれで学校に行くのは安心ね。お友達が出来たのならもうよっちゃんは学校を楽しめるはずよ」
善子「ううん、そこにリリーがいないのよ。私は誰よりもリリーがいて欲しかったのよ・・そうじゃなきゃ私は学校なんていっても楽しめないわ。」
絞り出すように私は梨子さんに本音を吐露する。
善子「なんで・・・なんで・・・来なかったのよ。待ってたのよ。楽しみにしてたのよ。リリーも学校に来るっていうから私頑張ったのよ。なのになんでよ。」
私が梨子さんに詰め寄り、まっすぐを見つめながら言う。
すると梨子さんは一瞬言葉に詰まった後、
梨子「ごめんね」
と私に頭を下げながら言う。
梨子「言い訳にしか聞こえないだろうけれど、今日の朝までは本気で行くつもりだったのよ」
善子「それじゃ・・・どうして」
梨子「私ね、よっちゃんと出会ってからピアノが無くても、もう平気なんだと思えたの。
だからね、本当に決心してたの。学校に行こうってね」
梨子「でもいざ朝になってみるとやっぱり私はまだピアノを捨てられない自分がいたの。」
梨子「だから・・・ごめんね。」
善子「・・・・ぜんっぜんわからないわよ! !」
梨子「よっちゃん・・・」
善子「私リリーがなにを言いたいのか全然わからない。ピアノが弾けないから学校に来れないなんて何も関係ないじゃない!誰もリリーが昔ピアノを弾けたことなんて知らないわよ。それにね、2年生の先輩たちのクラスに行ったけどみんなリリーが学校に来るの待ってるっていってたわ。だから来なさいよ。学校に。」
梨子「ありがとう・・よっちゃん。でもごめんなさい。まだよっちゃんに言えないこともあるの。それが解決するまで学校には行けないわ。」
善子「なんでいっつも隠すのよ。話してよ。リリーは私のリトルデーモンなのよ?なんでもいいから話してよ。」
梨子「ごめんなさい。これだけは私が1人で結論を出さなきゃ行けないことなの。必ず近いうちに結論を出すから・・・だからよっちゃん。考えがまとまるまでこの海岸には来ないでほしいの。」
善子「え・・・・・それってどういうこと・・」
もうここに来てはいけないと言う拒絶の言葉に
私は言葉を失ってしまう。
梨子さんが言いたいことはわかっている。
それでも私は違うとわかっていてもあえて梨子さんに聞く。
善子「それは・・この海岸はダメで・・昨日までみたくリリーの部屋なら行ってもいいって言うことではないのよね・・・?」
梨子さんは私の質問に首を縦に振る。
梨子「本当に自分勝手でごめんなさい。嫌な女よね。でもこれはよっちゃんには背負わせたくないの。話したらどっちを選んだとしてもよっちゃんは必ず責任を感じてしまうわ。そんなことさせたくないの。」
あまりにも悲痛そうな彼女の声に私はもう何も言えなくなってしまう。
善子「・・・それが決まったら来るのよね?」
梨子「ええ、必ず行くわ 結論がどうなろうと。その時は・・・一緒に帰りましょ。」
善子「もう二度と会えないなんて事ないわよね?」
梨子「ええ、大丈夫。よっちゃんは私の親友だもの。必ず会いに行くわ。」
善子「わかったわ。でも、私ずっと待ってるから。リリーが学校に来るのを。リリーと一緒に下校して喫茶店でお茶をするのを」
梨子「ありがとう。必ず・・・必ず・・・近いうちに学校にいくから。」
梨子「だから・・・また会いましょう。」
善子「ええ・・・またね」
そういうと梨子さんは私の手を握った後、背を向け歩き始めた。
これで私と梨子さんの2人の長いようで短かった不登校の日々は終わりを告げた。
善子「あー・・・数学つっかれた。今日で試験も終わりね・・あんたらはどうよ?」
私はがくっとうなだれた後、後ろの席に座っている2人に話しかける。
花丸「まるも正直あまり良いとはいえないかな・・・」
ルビィ「ルビィも絶対にお姉ちゃんに怒られる・・・」
2人ともどよーんと曇った顔をしている。
善子「えええ・・・学校に来てなかった私が点数やばそうなのはしょうがないとしてもなんであんたらまでヤバイのよ」
私は呆れながら2人に問いかける。
花丸「まるは現代文や古文は得意だけど、数学は苦手ずら」
善子「まあ、あんたはそうよね。昔っから本とか好きだったし。国語系は強そう。」
ルビィ「ルビィはそもそも勉強全般が苦手で・・・」
善子「ルビィに関してはどうしようもないわね・・・」
善子「でもさー。普通そういう苦手な教科あったら他の友達やクラスメイトに教えてもらったりしない?」
花丸「マル人見知りだからルビィちゃん以外のクラスメイトに話しかけるのは無理ずら」
ルビィ「ルビィも友達は花丸ちゃんしかいなかったから・・・」
善子「あんたらも大概コミュ障、陰キャ拗らせてるわね・・なのによくもまぁそれだけ堂々と言えるわね・・・」
花丸「善子ちゃんはわかってないずら」
花丸は、ちっちっちっと指を振り、
花丸「友達は量じゃなくて質だよ。1人でも自分にとって最高の親友がいたらそれで充分。だから私はそれを恥じたりはしないよ」
ふふんと鼻ならしながら、ドヤ顔で私に向かっていってきた。
その言葉に私は「うっ・・・」と息を漏らす。
善子「・・・たしかに・・それは分かる気がする・・・」
梨子さんの事が頭に浮かぶ。梨子さんとはあれから数日経った今も会わないだけでなくメールやLINE、電話ですら連絡もとっていない。
花丸「何やら善子ちゃんも思うところがあるようだね。」
善子「まぁねえ。友達は信頼できる人が1人でもいれば幸せよね。」
花丸「そうずら。だけどマルとルビィちゃんは今は親友は1人じゃなくて2人に増えたちゃったな。」
ルビィ「うん!」
善子「・・・そういう恥ずかしい事もよく面と向かって言えるわね」
花丸「顔が赤くなってるずら。もしかして嬉しいずら?嬉しいずら?」
善子「うっさい!」
それから帰りのホームルームが終わると下校口とは反対方向に歩こうとする花丸とルビィに私は声をかける。
善子「あれ、あんたら帰らないの?」
花丸「うん。今日からマル達は、部活が再開されるんだ。試験期間中は部活中止だったしね」
善子「部活ねぇ・・・そういやあんたらやってるっていってたわね。ま、大変だろうけど頑張って。私は帰るわ」
そういって彼女らに背を向けつつ、掌を左右に振り、その場を去ろうとすると後ろからルビィに呼び止められた。
ルビィ「あ、待って!・・・あの・・善子ちゃん。もし良かったら・・・ルビィ達と同じ部活に入らない?
善子「私が?あんたらと?同じ部活に?」
ルビィの言葉に少々驚きつつ、私は自分を指差しルビィに問い返す。
ルビィ「うん!」
ルビィは満面の笑みで私の問いに即答してきた。
うーん・・・ここまで歓迎してくれると入ってもいいかと思うけれど
きっと人間関係すでにできちゃってるだろうしなぁ
一度できたグループに後から入って行くのは陽キャやリア充だとしてもなかなかに難しい。
それが私のような不登校児には相当にハードルが高いわけで、正直ためらってしまう。
こいつらだけでやるのならまだやってやってもいいけどねぇ・・・
ルビィ「ね?花丸ちゃん良いアイデアだと思わない?」
花丸「うーん・・・マルとしては一緒にやってみたいけど難しいと思うよ」
満面の笑みのルビィとは違い、花丸は少し難しい顔になる。
花丸「善子ちゃんは今まで不登校してたんだし、すでに出来上がってる人間関係のところに入っていくのはあんまり得意そうじゃないと思うし勧められないかなぁ。」
その通り。
だけどそういう事を本人を目の前にしてズバズバいっていくのはどうなのよ・・・もう少しオブラートに言ってほしいものだ
って思ったけどこいつも大概陰キャだしなぁ。
そういうところを求めるのは無理か・・・
ルビィ「大丈夫だよ。だって残り2人の先輩とも善子ちゃん会ってるし」
花丸「そういやそうズラ。ほら、善子ちゃん2年生の教室に行った時に会った2人。覚えてる?」
善子「あの二年生の人たちか・・・・」
どっちもとんでもなくリア充そうな感じの人たちだったなぁ。
正直私と合うタイプではないとは思うけれど
不登校の梨子さんの事をあんなに心配してくれてた人たちだし・・・良い人に決まってるもんね。
あの人達が先輩なら人間関係でそこまで悩むことはなさそうかもしれない。
善子「そこまでいうなら入部してやってもいいけど、あんたら何部なのよ。」
どうせ、こいつらが入部するような部活だし、文芸部か手芸部よね
本読むのも手芸も好きだし、それならまぁ・・・やってやってもいいか。
ニッと顔を寄せ合わせ花丸とルビィが同時に言う。
花丸 ルビィ「「スクールアイドル部!」」
善子「は?」
千歌「いよっしゃあああああああああ」
今私の目の前で以前にあった先輩が絶叫し始めたため一瞬ビクッと肩が震えた。
千歌「新入部員だあああああ。ありがとう!善子ちゃん。入って来てくれて本当にありがとう!」
そういって目を輝かせながら私のギュッと手を握ってくる。
こ・・・こわい。
リア充のテンションやっぱこわい。なんでこんなにハイテンションなのよ・・・
千歌「私が一応リーダーの高海千歌!」
曜「私は渡辺曜。よろしくであります!私達のことは先輩とか気にしないで。呼び捨てで呼んでくれてもいいからね!全速前進!ヨーソロー!」
そういうと曜は敬礼ポーズを取っている。
なんだか確かにアイドルっぽいポーズだ。
本当にアイドルをやる部活なんだなぁと今更ながら実感させられる。
まさかあれだけ馬鹿にしていた部活に自分が入る事になるとは思わなかったわ・・・
善子「・・・よ、よろしく。」
私は困惑しつつも彼女達にぺこりと頭を下げた。
そんな私の姿を見て、彼女はうん!うん!と大きく頷いている。
いや〜・・・なんというか部活に馴染めるだろうかと入るのにかなり躊躇していたのに
実際行ってみると驚きの大歓迎ぶりである。
あれだけ悩んでいたのがバカみたいに思えてくる。
だからだろうか。
今は人間関係のことなんかよりも気になって仕方ないことがあった。
それは花丸とルビィに部室に連れて行くよと言われていたのについたのは屋上だったということだ。
あの・・・ここ外なんだけど・・・これいくらなんでも部室じゃないでしょ!
さすがにこの環境は劣悪すぎやしないか・・・
口をぽかんと開け、唖然としている私をよそに4人は大はしゃぎをしている。
千歌「みんな!わかってると思うけど善子ちゃんで5人目なんだよ!5人目!!」
曜「そうそう。これでついに部活申請ができるもんね!」
ルビィ「これであの憧れのラブライブに出れるようになるよね」
千歌「うん!長かった・・本当に長かったよ・・・本当にようこそ、善子ちゃん。スクールアイドル同好会へ!」
ん・・・?
スクールアイドル同好会・・・?
部活申請・・・?
わたしはひっそりと花丸に近づくと周りに聞こえないように囁く。
善子「ちょ、ズラ丸これ部活じゃなくて同好会じゃん・・・あんたら私に嘘ついてたの?」
花丸「オラとルビィちゃんは嘘はいってないずら。善子ちゃんが来てくれてこれからは部活になるんだから」
・・・・こいつらぁ・・・・・
曜「あ、もしかして善子ちゃん、ここの屋上が練習場所兼部室って事に引いちゃってる?」
いきなり私の頭を覗き込んだかのように的確に図星をついてきたためぎくりとしてしまう。
リア充やべー。こいつら超能力者かよ!
善子「い・・・いや。そんなことは・・・ごめん・・・あるわ」
曜「ごめんねー。まだ同好会だから部費もないから備品もないし殺風景だよね。ここの場所好きに使っても良いという許可もらえただけでも喜ぶべきことなんだろうけどさ。でもこれでようやく部室が貰えるから安心して!」
千歌「本来はね~・・・2人だけでもライブして体育館満員に出来たらその時点で部活動として認めてくれるって理事長に言われてたんだけど」
曜「現実は厳しかったね・・・・。全生徒動員しても体育館埋めるのは無理だったから一般の人も呼び込まないといけなかったしね。」
千歌「曜ちゃん有名人だし体育館を満員にするのいけるかと思ったんだけどなぁ。」
曜「いやいや、私そこまで集められるほどすごくないから!」
そういってブンブンと手を横に振り謙遜した様子を見せている。
ルビィ「でもほんと凄いよね。あの渡辺曜ちゃんがこのスクールアイドル同好会にいるんだよ!」
花丸「もうこれだけでラブライブにはかなり近づいたずら」
えーと・・・さっきからラブライブ!って単語が飛んでるけど
ラブライブ!って確かあれよね。
スクールアイドルとやらの甲子園的なやつよね。
一応そのくらいの知識は一般常識としてはある。
善子「ふーん。それ甲子園的なやつでしょ?それに近づくってことは曜って何か凄い人なの?」
千歌「え・・・曜ちゃんのこと知らないの?学校の超有名人だよ!?」
善子「だって私つい最近まで学校来てなかったし、知るわけないじゃない。」
花丸「善子ちゃん・・・かなり開き直ってきたずら」
千歌「曜ちゃんはね、次のオリンピックの代表候補なんだよ」
千歌ちゃんがふふんと鼻を鳴らして自慢げに私に教えてくる。
善子「え・・・」
お・・・オリンピックゥウウ?
千歌「たまにテレビの取材もくるんだよ。」
テレビいいいい!?
善子「・・・・なんでそんな人がこんな辺境の学校にいるのよ・・・」
曜「あはは・・・・まぁこの学校は私にとってはいい環境だったからね。」
曜「でも部室はなかったり、部員数は少なかったとしてもこのスクールアイドルとしての活動は本気でやってるんだよ。ちゃんとグループ名だってあるし」
千歌「そう・・・その名も・・・・」
千歌「制服少女隊!」
善子「ダッサ!!!!!!!」
ルビィ「よ・・・善子ちゃん!ダサいと思ってても言っちゃダメだよ。」
ルビィが冷や汗をダラダラさせながら慌てて私の口を抑えつけてきた。
むぐぐぐぐ
いったいなにすんのよ!離しなさいって!!
ルビィの手を振りほどこうと必死に暴れまくる私をみて花丸は呆れ果てたような表情で
花丸「善子ちゃん・・・いくらダサいと思っててもそういう思った事をはっきりというから人間関係がうまくできないずら。」
と、これ見よがしに深くため息をつく。
私は、口を抑えるルビィの手を強引に振り払う。
善子「はぁ?だって超ダサいじゃない。どうせ本好きの花丸あたりが名付け親でしょ。大槻ケンヂあたりに影響されて筋肉少女帯のもじりにしたとかそんなとこなの丸わかりよ。」
曜「あの・・ごめん・・考えたの私なんだ・・・その私制服とか好きだからいいかなって・・・。みんなダサいと思ってたんだね・・・」
・・・
・・・・・・・へ・・マジ?
善子「・・・・ご・・・ごごごごめんなさい!」
屋上のコンクリートの床に私は額を押し付け土下座をする。
千歌「おお・・・なんという見事な土下座なのだ・・・」
花丸「やっぱり善子ちゃんは中学時代の事がなくてもなるべくして不登校になった感がハンパないずら・・・」
曜「もう!ダサいダサくないかの脱線話はこれでおしまい!それよりもこれから善子ちゃんもスクールアイドルとしてやっていくわけだけど
善子ちゃんはスクールアイドルについてどれくらい知ってる?」
どれくらいって言われてもねー。
善子「まぁ私結構オタクだしアイドルとかそこらへんはそれなりには守備範囲よ。あれでしょ学生がローカルアイドル的な事をやるやつよね。」
千歌「ざっくりし過ぎだけど、まぁだいたいはあってるね。ルビィちゃんスクールアイドルとしての説明を!」
そういうと千歌は人差し指をビシッとルビィの方に差す。
急に振られたのに驚いたのかルビィは「え?ルビィが説明するの?」と困惑した表情になる。
千歌「そう。この中でいっちばんアイドルに詳しいのはルビィちゃんだからね!」
へぇ・・・ルビィってアイドルに詳しいのか。まぁ、その見た目からしても言われてみると納得いく部分もある。
高校生にもなってツインテールなんかにしているあたりそういう可愛いアニメキャラだったりアイドル的な恰好が好きなんだろうなとは思っていたからだ。
ルビィ「わ、わわわわかった。えっと・・・スクールアイドルってのは学校でやるアイドルのことであって確かにローカルアイドルのように地元でライブをしたり、PVを作ってみてもらったりするのがメインかな」
ルビィ「それにね、普通のアイドルと違って、スクールアイドルだから下手でも良いっていうのが1番の違いかな。どんなアイドルよりも自由に自分たちだけのアイドルを目指して活動できるの。」
ルビィ「スクールアイドルをやるにあたってはアイドルになりたい、歌とダンスが好き、地元に元気を与えたい、学校の知名度を上げたい。キラキラ輝きたい、思い出を作りたい。スクールアイドルを目指す人には多分こういったたくさんの思いがあると思うんだけど」
ルビィ「その根本にあって1番大事なことはね。」
ルビィ「アイドルはね。見てくれる人や応援してくれる人に元気や勇気を与えてあげられるってことなの。」
善子「元気や勇気・・・」
ルビィ「そして特に勇気や元気を与えてきたスクールアイドルたちが全国から集結する祭典・・・それこそがラブライブなの。」
善子「ラブライブ ・・・・」
ルビィ「もちろん、アイドルは勝ち負けなんか決めるものじゃないと考えて、あえてラブライブに参加しない実力もあるグループも大勢いるよ。それでもやっぱりルビィ達はせっかくなんだし目指していきたいと思ってる」
善子「ルビィ あんたアイドルのことになると吃らないわね。やるじゃない。」
ルビィ「あ・・・」
私がその事を指摘すると顔を真っ赤にしてピギィと動物のような叫び声をあげてズラ丸の後ろに隠れこむ。
花丸「ルビィちゃんはアイドルが本当に好きなんだよね。」
曜「そんな風にね。みんなそれぞれどんなアイドルになりたいかを持ってるんだ ね?善子ちゃんはどんなアイドルになりたい?」
善子「そんな事急に言われてもわからないわよ」
千歌「そんな難しく考えなくて良いんだよ。例えばね。私は輝きを見つけたいんだ。キラキラしたなにかを見つけたい。」
曜「そうそう。簡単で良いんだよ。私は制服が好きだからね。たくさんの可愛い衣装を着たいんだ。」
ルビィ「ルビィは昔から可愛いアイドルになりたかったの。」
花丸「オラもμ'sの凛ちゃんみたいになれたらなって」
意外だ。
ズラ丸なんてアイドルとかまったく興味なさそうなのになりたいアイドル像とかあるんだ・・・
善子「えっとそういう感じで良いなら・・・私が目指すアイドルは・・・・」
言おうとした瞬間、屋上のドアが開いた。
そのドアの先から長く美しい黒髪をしたまるで日本人形のような生徒が入ってくる。
「はぁ・・・ここにいましたのね。探しましたわよ。」
千歌 曜 花丸「「「生徒会長!!!」」」
花丸達に生徒会長と呼ばれたその人苦々しそうな顔で私達の元へと歩いてくる。
千歌「これは・・・ちゃーんす!!」
そういうと千歌は生徒会長と呼ばれた人の元へと駆けて行き、部活申請書を目の前に突きつける。
千歌「見てください!ダイヤさん 5人目が入ったんです!これで部活申請書受け取って貰えますよね!?」
ダイヤ「・・・・一応は規定として受け取っておきますわ。ですが、承認するかどうかはまだここでは判断いたしかねますが。」
千歌「ええ~・・・そんなぁあああ」
千歌は、がっくりと意気消沈した声を出しながら項垂れている。
ルビィ「お、お姉ちゃん。」
お姉ちゃん あれが!?・・・全然似てないじゃない。
少し赤みがかった茶髪なのに対してダイヤさんと言われた姉の方は長く美しい黒髪
身長だって小柄なルビィとは違いすらりとしたまるでモデルのようなスタイル。
そして何よりその醸し出す雰囲気がまったく違う。
小動物のように常に何かに怯えているかのようなルビィと
堂々と凛とした立ち姿で高校生とはとても思えないような大人びた姿の生徒会長。
よくもまぁここまで違いが出るものだ。
ダイヤ「ルビィ・・・あなたにも言いたいことはありますが・・・今は私は善子さんの事でここにきましたので。そちらが最優先ですわ。」
そういうと生徒会長は私に向き直る。
善子「わ、私!?」
ダイヤ「ええ、善子さん。あなたですわ。理事長が呼んでいますので理事長室へご同行願います。」
善子「え・・・・・・」
私はダイヤさんに連れられて理事長室へとついた。
あまり物怖じをすることのない私と言えどこの立派な門構えを見てしまうと緊張してしまう。
私が理事長に呼ばれた事の理由はどう考えても一つしかない。
1ヶ月を超える不登校をしていたせいだ。
これで家に連絡が行くことが確定したのはもちろんのこと
それプラス何かしらの罰則を追加で与えられたとしてもおかしくはない。
・・・・終わった。
そんな意気消沈した私をよそに生徒会長はドアに向かってゆっくりとコンコンコンと三回ノックをすると
「ハーイ!どうぞー」
と甲高い声が中から響いて来た。
どうやら理事長は女の人らしい。
そういや母が理事長はかなり若い人だと言っていたのを思い出す。
ダイヤ「失礼致します。」
善子「し・・・失礼します。」
私はおどおどしながらダイヤさんの後につきながら理事長室へと入って行く。
中に入るとさすがに理事長室というだけあってこんな辺境の学校といえどものすごく立派な部屋だ。
しかし、不思議なのはなぜか高校の制服を来た女生徒が部屋の真ん中で椅子に座って待っていたからだ。
ダイヤ「鞠莉さん、善子さんを連れてきましたわ。」
「サンキュー!ダイヤ。ほら、ダイヤも善子さんも座って座って」
この人はいったい誰なのだろう。
ダイヤさんと同じく生徒会の人だろうか・・・。
鞠莉さんと呼ばれた人はハーフなのだろうか。髪の毛が金髪だ。
鞠莉「ハーイ、善子。待ってたわ。来てくれてありがとう。」
ダイヤ「ほら、善子さん。理事長に挨拶なさい。失礼ですわよ。」
善子「・・・・・?」
私はダイヤさんのその言葉に困惑してしまう。
なぜならこの部屋にはダイヤさんと私とこの金髪の女生徒しかいないからだ。
ダイヤさんがいう理事長の姿がどこにも見えない。
善子「えっと・・・その・・理事長はどこ?」
ダイヤ「・・・・あなたそれ本気で言ってますの?」
ダイヤさんはギロッと恐ろしく冷たい眼光を私に送ってくる。
ひ、ひぃ・・・私何か変なこと言った!?
べ・・別に何もおかしいことなんていってないと思うんだけど・・
そんな怯えたような私を見てハーフの女生徒が口元を緩ませふふっと微笑む。
鞠莉「私が理事長よ。名前は小原鞠莉。生徒をやりながら理事長もやっているの。フランクにマリーって呼んでね。」
なんの冗談だろうか。
こんな生徒が理事長なわけないじゃない。
わかった。これは緊張している私を和ませようとしている生徒会長の冗談的なやつでしょ。
善子「あっはっは。面白い冗談ね。生徒会長もユーモアセンスあるじゃない。たしかにすっかり緊張ほどけちゃったわ。それで理事長はいつ現れるのかしら」
私が笑いながらそういうと2人からシラーっ とした目で見られる。
・・・・ん?
んんん・・・・???
善子「もしかして・・マジなの?」
ダイヤ「あなた!なんで知らないんですの!?有名ですわよ。この学校の理事長が鞠莉さんってのは!」
善子「だ・・・だだだだって私学校に来てなかったし・・・」
ダイヤ「入学式には参加しているでしょう!その時に入学の挨拶を行ったではありませんか!」
善子「ちょ、ちょっと入学式の時の記憶がなくて・・・」
あの時は記憶が飛んでいた。思い出したくもない。私のことを知ってる人がいてそれが広まらないか不安だったためだ。
いや一緒に入学式に来てた母親が理事長は若い人だったわねーと言ってはいたが
若すぎるでしょ!
鞠莉「まぁいいじゃない。別に怒ることじゃないわ。それよりもねぇ、善子。なんでここに呼ばれたか分かってる?」
善子「・・・学校を休み続けていたから」
鞠莉「ノー!!!!!全然違いまーす!」
そういうとマリーは両腕で大きなバツをつくり私の返答を否定する。
鞠莉「たしかにあなたは一月以上休み続けてはいますがその程度なんの問題もありません。」
善子「え、そうなの。」
鞠莉「イェース。公立ならまだしもここは私立の学校なので最低限の出席日数と成績さえ取っていればうるさいことは全く言いませーん。」
鞠莉「だからあなたの家に連絡しないであげたでしょ。」
善子「あ、ありがとう!理事長超良い人じゃん!」
鞠莉「良い人ね・・・それは違うわ。どちらかというと私は悪人よ。少なくとも良い人だったらあんなことをしないから・・・良い事に見えることでもすべて別の思惑で動いているのだから。」
善子「私にとっては超良い人よ!」
ダイヤ「鞠莉さん、生徒にそのような裏の事情を話すことはよくありませんわ」
鞠莉「良いのよ。ダイヤ。この子には協力してもらわないといけないんだから。」
善子「協力・・・?」
鞠莉「ええ協力よ。私たちがあなたを呼んだのは桜内梨子の事について聞きたかったからよ。仲良いでしょ。元気にしてる?」
善子「な、なんでそれを知ってるのよ・・・」
鞠莉「それだけじゃないわよ。あなたが学校に来ないで梨子と毎日海岸にいた事も知ってるわ」
鞠莉「不思議なことに梨子はあなたには心を開いているようね。」
ダイヤ「私たちも再三彼女に会いに行こうとしたり、電話したのですが中々あってもらえなかったのですわ。」
ダイヤ「あなたの何に惹かれたのかはわかりませんが、私たちでは彼女の心を開くことはできなかったのです。」
鞠莉「そうなの。だから善子が梨子と次に会った時に伝えて貰える?もう時間は無いとね」
時間がない。どういうことなのだろう。
善子「・・・悪いけど今私は梨子さんと会うことは出来ないわ。そう本人から言われたから・・・ただ、近いうちに学校に来るとは言っていたわよ」
鞠莉「それなら良いのだけれど・・・」
善子「ねぇ、なんで理事長や生徒会長はそこまで梨子さんを気にかけるわけ?だって私の不登校には全くそんな口を出さなかったじゃない」
鞠莉「ソーリー。それは申し訳なかったわね。善子の事を全く気にかけなかったわけではないの。本当に進級に関わって来そうになったらしっかりと連絡はする予定ではいたわ。ただ、梨子に関しては少し特別なの。」
善子「特別?」
鞠莉「ええ、なぜなら東京から梨子を浦の星へと呼んだのは私なんだから」
善子「り、理事長が梨子さんを東京から呼んだの!?」
鞠莉「そうよ。ピアノを弾けなくなって、留年しかけていたあの子を救ったのは私よ。あなた以上に私は梨子のことを知っているわ。」
鞠莉「だから今あの子が学校に来ない理由。そして善子に会わなくなった理由もわたしには理解できているわ。」
善子「教えて!梨子さんはなんであんなに学校に来るのを嫌がっているの?」
鞠莉「それはあなたが本人に聞くべきね。ただ一言言えるとするなら」
鞠莉「あの子は臆病者なのよ。」
鞠莉「ねぇ、善子。私たちにとって・・いえこの学校にとって渡辺曜と桜内梨子は特に希望なの。宝なの。絶対に失うわけにはいかないのよ
この学校はね、いま廃校の危機を迎えているの。」
は・・・・ははははははは
善子「廃校!!!!???? う・・・嘘でしょ!!!!???」
突然の言葉に私は気を動転させつつも、なんとか理事長に問い返すが。
鞠莉「こんな冗談にもならないことを理事長である私が嘘つくと思う?」
善子「あ、あがががががががが」
絶句である。
なんということなのよ・・・
せ・・・せっかく不登校をやめて学校に通い始めたら廃校だなんて・・・どんだけついてないのよ!!!
ダイヤ「ちょっと善子さんが泡吹いていますわよ・・・」
鞠莉「あちゃー。ショックが大きすぎたかな」
善子「ち、ちなみに廃校になったら在校生はどうすればいいのよ!」
私は狼狽えながら、慌てて理事長へと問うが理事長はにっこりと笑顔を崩さない。
鞠莉「安心して廃校になった場合は沼津の高校と合併案も上がってるわ」
善子「ぬ・・・沼津・・・・!?・・いや・・・ それはいやあああああああああ」
それは私が考えられる中で最悪な返答だった。
いやいやいや!!!!安心できるわけないからね!
せっかく中学の連中から離れるためにこんな辺境の学校に来たってのに!!!!
鞠莉「ってことで善子協力してくれる?」
そういって私に理事長は手を差し出してくる。
善子「きょ・・・協力するわ!絶対にこの学校を廃校にしてはいけないわ。」
私はガシッと理事長の手を握る。迷ってなんかいられない。
鞠莉「契約完了ね。」
ダイヤ「頼みますわよ。善子さん」
善子「でも、これって機密情報なんじゃないの?私なんかに話して大丈夫なの?」
鞠莉「平気よ。だってあなた今まで不登校だったから話す友達も限られてるでしょ?」
善子「なるほど・・・・悔しいけどその通りだわ・・・」
鞠莉「私たちは今廃校阻止のために秘密裏に動いているの。私とダイヤ、あとここにはいないけど果南って子がメンバーね。私たちの活動の主はこの学校に人を増やすために知名度を上げること。」
鞠莉「そして今この学校には曜や梨子以外にも事情のある特別な才能を持った生徒が何人もいるの。・・・・理由はわかるでしょ?」
ここまでくると察しの悪い私でもだいたい想像はついてきた。
なぜ、理事長が梨子さんをこの学校に呼んだのか。
渡辺曜というオリンピック代表候補選手がこんな辺境の学校にいるのか。
善子「・・・理事長が有名人を呼んで学校の知名度をあげるため」
鞠莉「ザッツライト」
鞠莉「曜と梨子は私が呼んだ特別な生徒の中でも特に大きな才能のある子たちだから宝なのよ。」
鞠莉さんは意味深な表情でそう語るが、私にはその言葉にどうも少し引っかかるところがある。
曜さんはオリンピック代表候補になるほどの現役の才能の持ち主なのはわかった。
それはたしかに学校に大きな知名度をもたらす事に繋がるだろう。
けれど梨子さんもそうかといえば違う。
たしかに梨子さんは過去に全国ピアノコンクールで優勝してはいる。
しかし、それは手に怪我をしてしまい、ピアノを弾くことができない梨子さんにそこまで期待できるものなのだろうか。
そんなことを考えている私をよそにダイヤさんは深くため息をつく。
ダイヤ「だから私は曜さんにはスクールアイドルなんてやってほしくはないのですわ
あの才能は、しかるべき場所で発揮させるべきであり、スクールアイドルなんかやって本業を疎かになってしまわないか不安なのです。」
鞠莉「わたしも同じ考えよ。だからダイヤはことあるごとに彼女たちにスクールアイドル部を認可しなかったのよ。私も諦めさせるために体育館いっぱいにしたら部活認可してあげる。だけど失敗したらそれでおしまいねと無茶な条件出したりしたの。」
ダイヤ「目論見通り千歌さんと曜さんはその条件にノってきましたし、結局条件は達成できずに終わりましたわ。」
鞠莉「ここまでは良かったのよね」
ダイヤ「ええ・・・そこまでは・・・本当に計画通りでしたわ・・なのに・・」
そういうとダイヤさんの顔つきが一層険しくなった。
ダイヤ「千歌さん・・・いえ・・・あのみかん女のせいで台無しですわ!!!!部活がダメなら今度は同好会までつくってしまって・・・さらには人の妹まで巻き込んで!!!こっちの気も知らないで!!!!」
鞠莉「ワオ ダイヤがキレてる。」
善子「あ、あはは・・・もしかして私があの同好会に入部したのって相当まずかった・・?」
ダイヤ「はい。とても」
鞠莉「かなりね」
し・・・視線が痛い・・・
ダイヤ「当初あなたに協力して欲しいことは梨子さんの事だけでした。しかし、あなたがスクールアイドル同好会に入会したというのならもう一つお願いがあります。」
善子「何よ」
ダイヤ「あなたが入部してしまった以上スクールアイドル同好会を部活動として認める他ありません。なので内部からスクールアイドル部のことを私たちに教えてもらえませんか。」
善子「・・・つまりスクールアイドル部を裏切って生徒会長たちのスパイになれってこと?さすがにいやよそんなの。言いたくはないけど・・花丸やルビィは友達だし。傷つけたくないわ。」
ダイヤ「いえ・・別にスパイになれとかそんなことではなく、曜さんがあまりにもスクールアイドルに熱中しそうになったら私達に教えて欲しいのですわ。そうしたら何かしらの対策を打ちますので。」
善子「うーん・・・・理屈はわかったし、それなら協力してもいいけど。それって私じゃなくて千歌に言った方がいいんじゃないの?曜にスクールアイドルやらないようにお願いしてさ。」
ダイヤ「千歌さんに言って収まるとでも思いますか?あの人は困難があればあるほど燃えてしまうタイプの人間ですわ」
善子「あー・・・うん・・確かになんかそんな感じする。」
ダイヤ「千歌さんのせいで・・・・こっちの気もしれないで・・・!計画がパーになったらどうするつもりなのですわ。せっかく私たちはスクールアイドルを辞めてまで廃校阻止をしようと頑張っているのに」
善子「へ・・・生徒会長達スクールアイドルやってたの!?」
鞠莉「イェース。私たちも1年時に本当に少ない期間だったけどスクールアイドルとして活動していたの」
意外だ。
この堅物そうな生徒会長がアイドル活動だなんて・・・
鞠莉「凄かったのよ。短い活動期間だったけど東京のイベントにまで呼ばれるくらいまでになってたし。」
ダイヤ「だけどそのイベントに参加することはありませんでしたわ」
「ちょうどその時に廃校の話が出ちゃったからねー。」
理事長室のドアが開き、長い黒髪をポニーテールに縛った生徒が中に入ってくる。
ダイヤ「果南さん。」
果南「まったく私も廃校を阻止するチームの一員なんだから呼んでよ。」
こいつがチーム廃校阻止の最後の1人か。
鞠莉「他の学校では以前スクールアイドルの力によって廃校を回避した学校もあります。しかし、その当時の私たちのスクールアイドルのレベルでは学校を救うことはできない。」
果南「だけどそれ以外でなら私たちは力を持っていた。」
鞠莉「ダイヤの家、黒澤家は地元の名士であり、静岡にたくさんの関連企業を持っている力を利用してもらってたの」
鞠莉「果南は渡辺曜をもはるかに超える身体能力の持ち主だったから多くの運動部に入部してもらってたの。スクールアイドルをやるよりもやっぱり野球やサッカーで活躍してもらった方が知名度向上にはなるからね。」
鞠莉「そして私はパパからこの学校を引き継いで理事長として就任したわ。どう面白いでしょ?」
善子「なんか凄すぎて・・・正直話についていけないんだけど」
鞠莉「ま、急にこんな話されたら当然よね」
善子「・・・ちなみに理事長たちの時のそのグループ名って何ていうの。」
鞠莉「アクアよ」
鞠莉「エー キュー オー ユー アール エスで Aqours いい名前でしょ。」
善子「ええ、制服少女隊よりよっぽどね」
花丸「あ、善子ちゃん 戻ってきた」
曜「なんだったの?」
ルビィ「お、お姉ちゃんが善子ちゃんに何かきついこと言ったとしたらごめんね。本当にごめんね。」
善子「あー・・その・・えーっと・・・」
屋上へと戻ってきた私にスクールアイドル同好会のみんなが話しかけてくる。
特に生徒会長の妹であるルビィは私が生徒会長からきついバツを受けたと思い込んでいるようでものすごく申し訳なさそうにしている。
うーん・・・なんていったらいいんだろう。
不登校のこと不問にする引き換えに渡辺曜の監視をしてくれと頼まれたなんて言えるわけがないし、言うなと頼まれている。
善子「・・・学校休みすぎって言われたわ」
まぁ・・・こういうしかないわよね。
私がそういうとみんなやっぱりという顔になる。
曜「まぁ・・・そりゃあそうだよね・・・」
ルビィ「1ヶ月以上休んでたら下手したら留年もあり得るかも。わ、私からお姉ちゃんや鞠莉ちゃん・・・理事長に頼んでみるよ。昔からの知り合いだし。」
千歌「善子ちゃんが何かされたら私達で直訴しに行こうって話ししてたんだよ。生徒会長なぜかスクールアイドル部にだけ厳しいんだよ。こんなの絶対不公平!」
花丸「善子ちゃん・・もしそれがダメでも大丈夫。善子ちゃんが留年してもオラ達は友達でいてあげるから」
千歌「今から理事長室にデモだ!善子ちゃんを留年させてたまるかー!」
や・・やめてちょうだい。そんなことされたらますます私この学校にいられなくなる・・・
やばい。
この人たちの行動力を甘く見てた。
この人達はやるとなったら本気でやる。そういう人種だ。
善子「いい、大丈夫!大丈夫!全然問題ない。あんたのお姉ちゃんからも不登校のことは不問にしてもらったから!」
ルビィ「善子ちゃん ほんと!?」
善子「ええ、案外話のわかる人だったわよ あんたのお姉ちゃん。」
ルビィ「あのお姉ちゃんが・・・」
善子「それどころか、部活まで認可してくれたわよ。ほらこれが認可証」
私は鞄の中から、理事長に判を押された認可証を取り出すとみんなの前に見せつける。
千歌「や、やった。善子ちゃん すごい!!」
曜「私たちがいくらいってもだめだったのに・・・」
ルビィ「あ、あのお姉ちゃんが・・・なんで善子ちゃんには・・・」
花丸「これから、生徒会長対策には善子ちゃんずらね」
このリアクション・・・・
よっぽど今まで生徒会長や理事長とバトってきたのが伝わってくる・・・
千歌「見て!見て!部室まで貰えてるよ!」
曜「ほんと!? 見せて見せて。」
花丸「あ、ここ。今まで空室になってたとこだよ!」
3人は認可証の前に、歓声をあげているなか私はこっそりとルビィを誘い出す。
善子「ちょっとルビィ 良いかしら?」
ルビィ「あ、うん。」
善子「あんたの姉ってどんな人なの。なんかやけにスクールアイドル同好会に対してきつくあたってきたみたいじゃない。」
ルビィ「・・お姉ちゃんね・・スクールアイドルが嫌いなの・・・でも!前は違ったの。前は一緒に良くスクールアイドルのお話ししてくれてたんだけど突然嫌いになったって。」
嫌いになったねぇ・・・
妹にはそういう風に伝えていたのか。
スクールアイドルをやっていた人間が辞めざるを得なくなりその妹がスクールアイドルを始めた。
生徒会長はいまいったいどんな気持ちなのだろう。
花丸「あ、善子ちゃん 戻ってきた」
曜「なんだったの?」
ルビィ「お、お姉ちゃんが善子ちゃんに何かきついこと言ったとしたらごめんね。本当にごめんね。」
善子「あー・・その・・えーっと・・・」
屋上へと戻ってきた私にスクールアイドル同好会のみんなが話しかけてくる。
特に生徒会長の妹であるルビィは私が生徒会長からきついバツを受けたと思い込んでいるようでものすごく申し訳なさそうにしている。
うーん・・・なんていったらいいんだろう。
不登校のこと不問にする引き換えに渡辺曜の監視をしてくれと頼まれたなんて言えるわけがないし、言うなと頼まれている。
善子「・・・学校休みすぎって言われたわ」
まぁ・・・こういうしかないわよね。
私がそういうとみんなやっぱりという顔になる。
曜「まぁ・・・そりゃあそうだよね・・・」
ルビィ「1ヶ月以上休んでたら下手したら留年もあり得るかも。わ、私からお姉ちゃんや鞠莉ちゃん・・・理事長に頼んでみるよ。昔からの知り合いだし。」
千歌「善子ちゃんが何かされたら私達で直訴しに行こうって話ししてたんだよ。生徒会長なぜかスクールアイドル部にだけ厳しいんだよ。こんなの絶対不公平!」
花丸「善子ちゃん・・もしそれがダメでも大丈夫。善子ちゃんが留年してもオラ達は友達でいてあげるから」
千歌「今から理事長室にデモだ!善子ちゃんを留年させてたまるかー!」
や・・やめてちょうだい。そんなことされたらますます私この学校にいられなくなる・・・
やばい。
この人たちの行動力を甘く見てた。
この人達はやるとなったら本気でやる。そういう人種だ。
善子「いい、大丈夫!大丈夫!全然問題ない。あんたのお姉ちゃんからも不登校のことは不問にしてもらったから!」
ルビィ「善子ちゃん ほんと!?」
善子「ええ、案外話のわかる人だったわよ あんたのお姉ちゃん。」
ルビィ「あのお姉ちゃんが・・・」
善子「それどころか、部活まで認可してくれたわよ。ほらこれが認可証」
私は鞄の中から、理事長に判を押された認可証を取り出すとみんなの前に見せつける。
千歌「や、やった。善子ちゃん すごい!!」
曜「私たちがいくらいってもだめだったのに・・・」
ルビィ「あ、あのお姉ちゃんが・・・なんで善子ちゃんには・・・」
花丸「これから、生徒会長対策には善子ちゃんずらね」
このリアクション・・・・
よっぽど今まで生徒会長や理事長とバトってきたのが伝わってくる・・・
千歌「見て!見て!部室まで貰えてるよ!」
曜「ほんと!? 見せて見せて。」
花丸「あ、ここ。今まで空室になってたとこだよ!」
3人は認可証の前に、歓声をあげているなか私はこっそりとルビィを誘い出す。
善子「ちょっとルビィ 良いかしら?」
ルビィ「あ、うん。」
善子「あんたの姉ってどんな人なの。なんかやけにスクールアイドル同好会に対してきつくあたってきたみたいじゃない。」
ルビィ「・・お姉ちゃんね・・スクールアイドルが嫌いなの・・・でも!前は違ったの。前は一緒に良くスクールアイドルのお話ししてくれてたんだけど突然嫌いになったって。」
嫌いになったねぇ・・・
妹にはそういう風に伝えていたのか。
スクールアイドルをやっていた人間が辞めざるを得なくなりその妹がスクールアイドルを始めた。
生徒会長はいまいったいどんな気持ちなのだろう。
千歌「疲れたーって私三位じゃーん!なんでいつも真ん中なんだー!」
高海千歌が校庭へと入ってくるなりどさーっと倒れこむ。
曜「あ、千歌ちゃんが来たね。」
善子「・・・・その次はルビィ・・あ、ズラ丸も来たわね」
へとへとになり息を切らして花丸とルビィも校庭へと入ってくるなりその場へ倒れこむ。
ルビィ「も、もう無理・・・・」
花丸「ご、ゴールずら・・・なんで善子ちゃん引きこもりのくせにそんな足が速いずら・・」
引きこもりいうな!
曜「さて、善子ちゃん。この話はおしまい。千歌ちゃんにはいっちゃダメだよ。変に気を使われたくないんだ。」
そういうと渡辺曜は校庭に倒れ込んでいる高海千歌のもとへと走って行く。
彼女は用意していたウォータージャグからスポーツドリンクを紙コップに注ぎ高海千歌へとそれを渡す。
曜「ちっかちゃーん おっつかれー。はいスポドリ」
千歌「ありがとー、でも曜ちゃん 早すぎるよー。善子ちゃんと2人で先に行っちゃうんだもん。置いてかないでよー。」
曜「あはは。善子ちゃんがなかなか早くて本気になっちゃった。でも先に行ったとしても私はゴールで千歌ちゃんが来るのを待ち続けるから。置き去りになんかしないよ。」
あははと笑う渡辺曜とむすっとふくれっ面になった高海千歌の姿を私はずっと眺め続けていた。
花丸「よ・・・善子ちゃん・・・オラ達にも飲み物をくれると嬉しいずら」
ルビィ「し・・・死ぬ・・・み・・水・・・」
それから少し休憩をした後、高海千歌が全員を集め、
千歌「さて・・・・では今日の練習はここまで!部室に戻って軽いミーティングをしよう。」
と言い出した。
善子「え? これで体動かすのおしまい?ダンスの練習はいいの?」
私は思わず高海千歌へと問いかける。今日やった活動といえば、ストレッチに筋トレと外周3周だ。
他のスクールアイドル部がどんな活動するのかは知らないけれどダンス練習をしなくて良い訳はないはずだ。
千歌「お、善子ちゃん。やる気満々だね。でも今日はこれで大丈夫。ほら、月曜日は体力づくりだけで良いんだ。毎日ダンスから何まで全部やってたら続かないだろうしね。」
そういうと高海千歌はジャージのポケットから一枚の紙を取り出す。
千歌「これ、簡易的だけど私たちの1週間のスケジュール表。見てみて。」
私は高海千歌からスケジュール表を受け取り、それを確認して見る。
月曜日:体力づくり
火曜日:曲作り 歌詞づくり
水曜日 ダンス練習
木曜日 衣装作り
金曜日 ダンス練習又は広報活動 (PV作成やビラ配りなど)
なるほど・・・運動と室内活動を交互にやっているらしい。
こうしてみると悪くはない気はする。
もともと今日は外周やストレッチ、筋トレだけの予定だったのか。
このくらいの練習量であれば今まで運動してこなかった私でも続けられそうな感じはして来る。
さすがに毎日運動するのは辛いしね。良い具合のバランスだと思う。
善子「んじゃ明日は曲作りをするのね」
千歌「うん・・・一応はそうだね・・・」
善子「どこまでできてるの?私もメンバーの一員として早めに聞いておきたいわ。」
この人たちが作った曲には興味がある。
私はワクワクしながら言うと私とは対照的にみんなの表情が曇りだす。
千歌「・・・・曲はないのだ・・・」
善子「えっ・・・一曲も・・・?」
私が聞き返すと高海千歌がこくりと頷く
善子「えっと・・・じゃあ今のところできてるとこだけでも良いわよ。進捗状況はどんな感じなの?」
千歌「・・・一曲どころか一音も出来て無いのだ・・・作曲できる人も誰1人としていないのだ」
・・・・この人たち、部活作って2ヶ月以上なにをやっていたのだろうか・・・
いやまぁ・・曲作りがそう簡単にできるわけはないけど
いくらなんでもこれでスクールアイドルやるってのは無謀すぎやしないか。
よく作曲できる人がいなくてスクールアイドルやろうと思ったな この人たち・・・
善子「い・・一応聞いておきたいんだけどダンスの振り付けは何か考えているの?」
千歌「なに一つ出来ていないのだ・・・私達もダンスの練習したいんだけど曲も無いし、ダンスに知識のある人がいたらよかったんだけどね・・」
善子「・・・衣装は?」
曜「ルビィちゃんと私が衣装係なんだけど・・その・・・まぁなんていうか予算的なものがね。部費もなかったしね・・・」
ルビィ「あ、あの。でもね、これからは部費も出るからそれで、作れるから・・・多分」
善子「つまり今はないのね」
花丸「・・・そういうことになるずら」
善子「・・・・ねぇ・・聞きたいんだけど今まで何してきたの?同好会を作ってから2ヶ月はあったわよね・・・というか千歌さんと曜さんはライブしたって言ってたよね。 どうやってやったのよ。」
千歌「あー・・・あれは他のスクールアイドルの曲とダンスを真似させてもらったんだ。衣装も制服でやったりして・・・」
善子「つまりカバーでライブしたってことね・・・・よくそれで体育館埋めれるって考えたわね」
千歌「ほんと無謀だったよ・・・」
曜「まったく甘くなかったね・・・」
曜「でも、これからは善子ちゃんも入ったわけだしもっと色んなことに挑戦できるようになるよ」
千歌「そうそう。さぁ、部室でミーティングだ」
ルビィ「み、みみみみんなで話し合えば何か良い案も浮かぶよ」
花丸「その通り。そのためにも良い考えが浮かぶように頭に糖分が回るためにいっぱいお菓子持ってきたずら。部室でみんなで食べよう!」
千歌「花丸ちゃん、かしこーい」
ルビィ「る・・ルビィもおうちからお茶持ってきたよ。たぶんとっても良いお茶っ葉だと思う・・・」
千歌「ルビィちゃん偉い! ふっふーん 実はね、千歌もみかん持ってきたよ。疲れた時にはクエン酸だよ。 」
花丸「千歌ちゃんもかしこーい」
千歌「えっへっへっ。でっしょー!さぁ部室でティータイムだ!」
ははは・・・ダメだこいつら・・・・
何一つとして、かしこくない・・・まるでやる気が感じられない・・・
渡辺曜がスクールアイドルの活動にハマりすぎないように見張ってくれと理事長と生徒会長から言われたけれど
心配する必要なんて何一つとしてないでしょこれ・・・
結局その後は、ミーティングという名はついているものの部室でお菓子やみかん(私は食べなかった)をむしゃむしゃと食べつつ、
ルビィが持ってきたアイドルのDVDを鑑賞していた。
花丸「見応えあったね・・・」
善子「ええ・・・普通に凄かったわ・・・・」
千歌「まさかルビィちゃんが伝説のアイドル伝説をもっているとは・・・・」
曜「いやー・・・あーいう衣装私も作って見たいもんだわ。」
ルビィ「えへへ・・・お小遣いを貯めて買ったんだ。」
善子「いくらしたのよこれ。私も買おうかしら。」
そういってルビィの持ってきたDVDBOXの箱をひょいと持ち上げる。
ルビィ「えっと・・10万円くらいかな」
善子「た・・たっか・・・!!!!!ありえないでしょ!」
ルビィの言葉を聞き、驚きのあまり手に持っていたDVDを落としそうになる。
や・・やばかった・・・
私のお小遣い2年分並みじゃない!
壊して弁償なんかになったらシャレにならないところだった。
こ、こんなのが10万円・・・・
一般的な高校生が買うようなグッズではない。
私は慎重に持ち上げたDVDBOXを再びテーブルの上へと戻す。
善子「もしかして・・・ルビィの家って相当なお金持ち?」
花丸「善子ちゃん、何を今更・・・黒澤家は沼津では超有名な名家だよ。」
曜「そうそう。すっごい大きいお屋敷だよ。ご両親もとっても立派な人でこの前新聞に出てたよね」
ルビィ「あの・・・その・・・」
千歌「生徒会長も凄いもんね。まさにエリート一族。ルビィちゃんもあと数年したらダイヤさんみたいになるんじゃない?」
ルビィ「る・・ルビィがお姉ちゃんみたいに・・・?無理無理無理!ルビィはお姉ちゃんと違って人見知りだし・・・引っ込み思案だし・・・人前で喋るの苦手だし・・・・」
善子「そーよ。千歌さん。無理よ無理。あの生徒会長とルビィは正反対だし、似ても似つかないわ。あんたはあの生徒会長には絶対なれないわ」
ルビィ「・・・だよね」
ルビィはそんな私の言葉にえへへと力なく笑う。
善子「そーよ。あんたはそのままでいいの。」
私がそういうと後ろから花丸が私の肩をギュッと掴みかかる。
花丸「よ・し・こちゃん。そういう無神経なこと言ってるから友達無くすずら。」
顔は笑っているが、恐ろしく冷たい声だ。幼稚園の頃の時を思い出す。
本気で花丸が怒った時は怒るのではなく笑うのだ。
つまり・・・今はガチでブチ切れている状態なのは間違いないだろう。
本気でキレた花丸はやばい・・・何回か怒らせた事はあるが、その度にとんでもなく酷い目にあった記憶がある。
私は額に脂汗をびっしりと滲ませながら必死に思考を巡らせる。
なんでこんなにキレてんの・・・ってもしかしてさっきの言葉?
ち・・違うんだって。そういう意味じゃないのよ!
私は慌ててルビィと花丸に謝罪して弁明をし始める。
善子「あ、あ・・違うのよ!いやいや、ほんとごめん。違うの!そういう悪い意味じゃなくて、ルビィにはあの生徒会長みたいになる必要がないってことよ」
千歌「んー?どういうこと?」
善子「つまり、私が仲良くなったのはルビィだからであって生徒会長ではないってことよ。
あんたが、もしも生徒会長みたいだったらこんな気軽に話せてないわよ。私みたいな引きこもりの不登校児には引っ込み思案で内気のルビィや、コミュ障インキャの花丸だから仲良くなれたわけ」
私がそう胸を張って2人に言うが、
花丸「酷い言われようずら・・・ものすごい貶されてる気がするんだけど・・・」
ルビィ「これ褒められてるのかなぁ・・・」
2人とも依然として物凄く微妙な顔をしている。
え・・伝わらなかった?
善子「ちょ・・めっちゃ褒めてるから!えっと・・その・・なんって言ったら良いのかわからないのよ。私も口下手だから。」
曜「あはは。私はわかったよ。ルビィちゃんは今のままで最高の友達ってことでしょ。無理に変わる必要ないし、いいところいーっぱいあるってこと。でしょ?善子ちゃん。」
善子「あー・・うん・・・ま、そんなとこよ。」
そこまでハッキリという事ないんだけどな。恥ずかしいじゃない。
私は照れ隠しにそっぽを向きながら頬をぽりぽりとかいているとルビィから
ルビィ「ありがとう。善子ちゃん。」
と微笑み返された。
千歌「なんかいい話だねー」
花丸「いや結局全然いい話じゃないし、オラは巻き込まれて酷いこと言われただけなような気もするんだけど・・・」
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